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コープおおいた産直牛>おいしさと安全は譲らずに、効率化経営に励む若き「牛飼い」

国東半島の西北の付け根にあたる豊後高田市。「昭和の町」として有名な商店街を抜けると左右に田植えをしたばかりの水田が見えてきます。そこから少し山に向かって登ったところに位置する石元牧場は、石元正彦さんが一人できりもりしています。「食べてもらったら分かる」という産直牛肉の肥育のなかみと畜産業の現状と課題を教えていただきました。
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[生産者インタビュー]

大分県豊後高田市

株式会社 石元牧場 石元 正彦さん

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400頭を一人で肥育。

石元牧場は、豊後高田市の中心から車で15分ほどの山あいにあります。

ここにいるのは生後6~7カ月から23カ月ぐらいまでの牛、400頭。それより小さい牛の飼育は鹿児島県指宿市にある牧場にお願いしています。牛は生まれてから2カ月ほどお乳を飲んで大きくなります。離乳後から7カ月までを育成期といい牛の体の基礎をつくる大切な時期です。7カ月以降は肥育期といい、食肉用においしい肉をしっかりつける時期です。

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「1年ほど前までは体重300㎏まで育成された生後7カ月の牛を購入していたんですが、その月齢の牛がほとんど出回らなくなってね。その頃、以前から付き合いがあって良い牛を育てていた指宿の育成農家がやめるとのことだったので、借り上げて育成を委託することにしたんです」と石元さん。同じ頃、牛舎の建て増しもしており、ほんとにきつかったのだそうです。「牛が手に入らないことには成り立たないから決断してよかった」今は、大分や熊本の市場で生後2カ月の牛を購入して、指宿に運び、6~7カ月まで育てて、豊後高田市につれてきて出荷まで育て上げます。

石元さんは、400頭の肥育期の牛の世話のすべてはもちろん、市場から指宿、指宿から大分の移動も自らトラックを運転して行なっています。

一人でこなす、その理由は? 牛飼いを続けるため。

餌の値段は上がり、燃料代も上がり、牛舎に敷いているおが粉(現在は日田市産を使用)もバイオマスとしての需要が出てきて値段が上がっています。畜産業はたいへんな時代です。生後7カ月までの牛が出まわらなくなったのも、牛の育成では採算が取れなかったり、後継者がいなかったりで、やめていく育成農家が多いためだそうです。

そんな中、石元さんは経費を抑えて事業の継続を図っています。人件費を掛けなくてすむように餌や水やりは自動化しています。牛の運搬を自ら行なうのも経費を抑えるためです。400頭という飼育頭数は、一人で世話ができるぎりぎりの数でもあり、育成牧場からの運搬が1台のトラックでできることなどいろんな条件がつりあう数でもあるようです。(熊本や鹿児島に行くときは、いつもお願いするヘルパーさんに餌やりを頼むそうです。)

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28歳で大分に帰ってお父さんの後を継いだ石元さん。それまでは「地図に残る仕事をしたい」と、道路設計のお仕事に携わっていたとのこと。「これまで自由にさせてもらったので、そろそろ帰ろうかと思い帰ってきました。いずれは自分で事業をしたいという気持ちもありましたし。仕事で事業計画を立てるのは当たり前だったので、その辺役立っているかもしれませんね」終始ユーモアを交えてお話をしてくれる石元さんですが、その目の奥に、事業家としての意志を感じました。

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餌の穀物は削りません。

牛に与える粗飼料は宇佐市と豊後高田市の稲わら。石元牧場の堆肥を稲作農家に使ってもらい、稲わらを購入する。地元大分での循環型農業を営んでいます。

 

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濃厚飼料は、飼料会社に石元牧場オリジナルの餌を配合してもらっています。ポイントは穀物。圧ぺんのとうもろこしや大麦がしっかり入っています。


「牛に欠かせないのは、稲わらと穀物。穀物をしっかり与えると、焼いたときの風味や香りよく、おいしい肉になります。食べてもらえばわかります」

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食べておいしくないものをつくってもダメ。

体調が悪そうな牛を見つけたら(見ただけで分かるそう)、獣医さんに依頼して血液検査などを行い、原因を特定します。原因をはっきりさせることで、適切で最小限の治療をしてもらうためだと言います。
「生産を続けていくために効率化は必要だけど、食べておいしくないものをつくってもダメ。自分の子どもに自信を持って食べさせられるものづくりをしています」と4歳の娘さんのお父さんでもある石元さん、力強く語ってくださいました。

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これからの畜産。

石元牧場を始めたのは石元さんのお父さんですが、おじいさんは父方、母方とも「牛飼い」だったそうです。工夫とチャレンジを繰り返しながら「牛飼い」を続けている石元さんに、これからの畜産業についてお聞きしてみました。

「豚や鶏は大手企業が一貫生産する方向に向かっています。牛はまだ個体ごとの違いがあるので、購入してから出荷するまでで採算が合う牛、合わない牛のばらつきがある。全体で採算が取れれば何とかなるので、自分のような個人でもやっていけています。これからは大手と特徴ある個人に二極化するのではないかな」

「一番の問題はホルスタインのオスが生まれなくなっていること。酪農家は牛乳生産のためにホルスタインのメスを選択的に種付けしたり、F1(和牛との交雑種)をホルスタインに生ませて販売したりすることで事業継続を図っています。うちの牧場もF1の割合を増やしています。日本人が牛乳を飲み、牛肉を日常的に食べるようになった時代に始まったホルスタインオスの食肉への活用ですが、状況が変わってきています。このままでいけるのか、いくのか考える時だと思います」

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ホルスタインのお肉は手ごろな価格で脂身が少なくてヘルシー。生協の産直牛のほとんどがホルスタインです。

おいしくて安心できるお肉を生産するために、様々な努力をされていることに感謝するとともに、日本の畜産業や酪農業の現状を知って、今後どうしていくのかを生協の組合員や消費者もいっしょに考え、新たな動きをつくっていかないといけない時であることを強く感じた訪問でした。

【石元牧場 こんなところ】

江戸時代から昭和30年代にかけて交通の要衝として栄えた豊後高田市。何本も商店街が広がっており、その繁栄が偲ばれます。
現在も当時の面影を残した「昭和の町」として多くの観光客が訪れています。
国東半島は宇佐神宮の荘園だった歴史をもち、米づくりの盛んな土地であることが、石元牧場の循環型農業を支えています。

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産直ってなんですか?

日々届けられる野菜やお肉やお魚。今日も産地から新鮮な美味しさが届きます。でも、福岡の組合員さんと鹿児島の組合員さんは、同じ野菜でも産地は同じではありません。各地生産者と各地の組合員さんを結び、最も美味しい関係を考える。それが生協の産直です。

その土地とそこで育つ食べ物は、とても強い絆で結ばれています。その土地の気候風土は作物や家畜の特性をかたちづくり、多様な食材に対するさまざまな戴き方は土着文化の柱を築きます。生協の産直は、こうした視点を根底に持ちながら、背景とともに各地の生産者と組合員の暮らしを繋ぎます。


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皆様から寄せられたコメント

  1. わが家の牛肉はほとんど産直牛肉です。
    他のお店ではどことなく、不安というか。。。
    生協のお肉は、子どもや家族に安心をくれます(^ー^)
    クセが無くてあっさりしているので、毎日食べても飽きません。
    お店で好きなところを切り分けてもらったり、カタログで注文したり、いつもお世話になっています!

    これからも相変わらず沢山食べて、生産者さんを応援します!(笑)

    1. さち さま
      残暑お見舞い申し上げます。
      この度は大変うれしいコメントをお寄せ頂きましてありがとうございます。早速、石元さんに伝えたいと思います。

      これからも石元さん、全農おおいたさんと共に組合員さんに安心・安全でおいしい牛肉を届けられるように頑張りますので、引き続き子のご利用をお願いいたします。

  2. メルマガから来ました!生協のお肉をよく食べます!外国のお肉は料理全体が脂くさい感じになっちゃいますが、生協のお肉は牛肉のいい香りがすると思います。何だか今日の肉じゃがおいしいんだけど!!とめずらしく旦那さんが言ってきたのでこれは間違いない!と思いました!

    1. NAOさま
      素敵なコメントをお寄せ頂きましてありがとうございます。
      また、日頃よりメールマガジンをご購読くださり感謝いたします。

      コープおおいたは、生産者の石元さんと
      全農おおいたさんと共に、信頼されるおいしい産直牛肉を
      皆さまの食卓へ届けられるよう、努力してまいります。
      今後とも変わらぬご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
      よろしければ、石元牧場の仔牛の飼育を委託されている
      鹿児島県指宿市『福元牧場』の様子もご覧くださいませ。
      https://coop-weblabo.jp/lupo/ibusuki/6722

  3. 牛さんのエサは
    本来牧草だけが安心と聞きました。
    穀物は良くないと聞きましたが