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東伯牛>大山のふもとで育つ、人気者。

1986年から取り扱う東伯牛は、口の中でとろける脂の甘味と濃い肉の味わいが特長。その人気は衰えを知らず、組合員さんの熱い支持が大山のふもとの牧場にまで届いています。

[生産者インタビュー]

鳥取県 東伯郡

JA全農ミートフーズ株式会社 濱本 正さん

コープの牛肉の“顔”とも言える、ロングセラー。

鳥取県・大山のふもとで育つ東伯牛は、組合員さんに長年愛されており、コープで取り扱う牛肉を代表するものです。

「その農場は4カ所あり、契約農家全10戸が集まっています。全体で飼っている牛は2000頭近くになるのですよ」と教えてくれたのは、東伯牛を取り扱う、JA全農ミートフーズ株式会社の濱本 正さんです。

今回、訪れた大成(おおなる)農場には5戸の契約農家が集まり牛舎を連ねています。その規模は東伯牛の産地の中でもっとも大きく、5戸合わせて約1000頭のホルスタインを肥育中です。ちなみに、ここで育つ牛は、北海道の十勝から生後7カ月の時に素牛(もとうし)としてやってきた牛。毎月約120頭ずつを導入し、4カ所の農場へと振り分けています。およそ15カ月間の肥育期間を経て出荷されるのですが、その頃の牛の体重は約860kgにもなるそうです。

肥育のポイントは5つ。牛の状態の観察、朝夕決まった時間の餌やり、飲み水のチェック、防暑と防寒、そして床のオガ粉の定期的な交換です。「どれひとつ欠けても牛の健康に影響しますから、生産者は1年中、気が休まることはありません」。そう濱本さんが言うように、生産農家のみなさんは、朝からそれぞれの牛舎にて牛の世話に余念がありません。そのうちの一戸、馬野英子さんにお話をお聞きしました。

おいしい餌ときれいな寝床でリラックス。

馬野さんに、いい肉を作るための肥育のポイントを聞いてみると「それはもう、ストレスを与えないことですよ」と即答です。餌は決まった時間に1日2回。牛舎は常に清潔を保ちます。「牛はストレスに弱くて、意外と繊細なの。それにね、人間と一緒なのよ。毎日、時間がくればお腹がすくし、餌がなかなかもらえないと心配になるんです」。

毎日牛が過ごす寝床は特に重要で「人間だって、汚い寝床には寝たくはないでしょう?いつもきれいにしてあげないと!」と馬野さんも意気込みます。敷き詰めたオガ粉は10日〜2週間おきに全部入れ替えて、さらさらと気持ちよい環境を作っているそう。この“床替え”はかなりの重労働。「でもね、牛はちゃんと分かっていて、きれいなオガ粉を敷いた方に集まってくるんですよ」と馬野さん。濱本さんも「新しい床の上では、牛も喜んじゃって、ぴょんぴょん跳ねる勢いですよ」と続けます。

また、牛の世話がない昼間は、あえて牛舎を離れているとか。牛は敏感なので、極力そっとしてあげたいそうで「人間がいない間に牛は、自由に食べて、寝て、を繰り返していい体をつくります」。まさに、喰っちゃ寝、喰っちゃ寝の状態! 「ご飯を食べた後、すぐに横になると『牛になるよ』と言われるでしょう?あれを毎日やっています」と馬野さんは笑います。

さつま芋の粉末が、おいしい脂を育てます。

限られた期間でいい肉を生産するためには、餌も重要です。東伯牛は、月齢によって3つのステージに分け、肥育管理をされています。

まず、子牛が農場にやってきた後、約3カ月間の肥育前期は、乾草や稲わらを中心に。骨格や内臓を丈夫にし、胃袋を正常に大きくします。中期になると、トウモロコシや大豆を混ぜた濃厚飼料を増量します。

後期には、さつま芋の粉末が入った配合飼料「びーふあっぷ」の登場です。「びーふあっぷ」を基本の配合飼料に加えることにより、東伯牛独特のスーッと溶けて甘味のある脂が完成します。組合員さんに支持され続ける良質の肉と脂肪は、これら餌の工夫によるところも大きいのです。

ちなみに、東伯牛の飼育期間は長め。脂や肉の旨みがのってくる時期になるまでじっくり待って、出荷するそうです。

格付け協会の方からも、太鼓判をいただいています。

農場を後にして、濱本さんと「鳥取県食肉センター」へ向かいました。こちらは西伯郡大山町に位置し、農場から出荷された牛の加工を毎日行っている場所です。まずは大きな枝肉(皮や内蔵を取り除いた後の状態)をぶらさげて保管している、巨大な冷蔵庫のような部屋にお邪魔しました。

この日は、(公社)日本食肉格付協会の松本さんが、枝肉の状態の肉に等級をつけにきていました。東伯牛について聞いてみると「東伯牛の成績は、全国レベルで見ても非常に高い、トップクラスの牛枝肉ですよ。これはいい餌をしっかり食べて元気に育った証拠です」と太鼓判。肉付きも良く出荷する頃には860kg程度もあるし、サシの入り方も美しいのだそうです。いつも食べている肉がほめられると、何だかうれしいですね。

通常の1.5倍の時間をかける、コープの成形。

肉を加工するスペースでは、従業員のみなさんが大きな包丁を駆使して枝肉を解体しています。慣れた手つきで部位ごとにカットする様子は、思わず見とれてしまうほどの仕事ぶり。まさに熟練の技です。

コープに出荷する肉はかなりていねいに成形するので、時間もかかるそうです。ロース、バラ、ヒレと1頭すべての部位をカットするのに約1時間半。これは、通常の成形の1.5倍の時間です。「店舗などで切り分けて商品化する時に、できるだけロスが出ないようにとオーダーを受けています。余計な部分は入念に取り除いて、加工をしているんですよ」と濱本さんも胸を張って説明してくれました。

従業員さんたちは、流れるような手際の良さ。その一方、肉の色や傷、ちょっとした変化なども、細かくチェックしながら成形しています。

おいしさのひみつ、体温でとろける脂を実感!

濱本さんが「ちょっと見てください」と東伯牛の脂を指先でさわりました。すると濱本さんの体温で、脂がスッーと溶けていきます。これが、手を抜かない肥育とこだわりの餌のたまもの。「融点が低いのが、東伯牛の脂の特長です。甘味のある脂が口の中でとろけてすごく旨い。牛肉の味は脂で決まると言いますが、その通り。これが我々の自慢ですよ」。

成形された肉は、その後、「どこの農場の牛か」「いつ加工されたか」などの履歴がすべて分かるバーコードをつけて出荷されます。濱本さんは「ちょっといいことがあった日、お誕生日や記念日など。家族の方々とのしあわせな食卓に、私たちの育てた東伯牛をぜひ選んでください」とにっこり。そして「コープさんは、肥育にしても加工にしてもかなり厳しいので(笑)、我々生産地側の意識もずいぶん高くなりましたよ」と、さらにおいしい肉の追求を約束してくれました。

 ※このページの情報は2013年取材当時のものです。
  作成時から情報が変わっている場合があります。

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