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生協コープかごしま産直牛>牧草から育てるほどのこだわりがある。

絶大な人気を誇る“大丸さんの牛肉”は、大丸さんの熱心な仕事ぶりのたまもの。
乳牛であるホルスタインの「肉牛」としての肥育は、試行錯誤の連続でした。

[生産者インタビュー]

宮崎県 小林市

大丸牧場 大丸 米蔵さん

実践あるのみ!ホルスタインを肉牛へ。

牧場から眺めると、その向こうには雄大な霧島連山がどっしりと横たわり、青々とした草原や畑がはるかむこうまで続いています。これ以上はないほど心地よさ! 恵まれた環境にある大丸牧場で、500頭の牛たちは、さぞかし快適に過ごしていることでしょう。

ご存知のように、ホルスタイン種は乳牛です。それが肥育牛へと応用されたのは、全酪連(全国酪農業協同組合連合会)の取り組みによってでした。「乳の出ないホルスタインの雄を食用として改良し、おいしい肉を多くの方に食べてほしい」。そんな願いからスタートしました。

当初より、大丸さんも全酪連とタッグを組んで餌の改良にいそしんだとのこと。しかし元来がスマートなホルスタイン種です。「とにかく試行錯誤の連続でね。全酪連と一緒に、ああだこうだ意見を言いながら、作っちゃ与え、作っちゃ与えとしていたけれど……。失敗ばっかりしていたなあ」と大丸さん。

それでもめげずに、ホルスタインの肉付きがよくなるには何が必要か?どう肥育すればいい肉になるのか?と、何度も試みました。「頭で考えるより実践あるのみ!」と、納得いく肥育ができるまで、トライを続けてきたそうです。

肥育が安定するまでにかかった時間を聞いてみると「うーん、とにかく長かったねえ」と大丸さんは笑っています。このめげることない明るさも、おいしい牛を育てる秘訣なのかもしれません。

大丸さんもホルスタインの肉のファンのひとり。

そんな大丸さんの牛肉は、今、生協コープかごしまで絶大な人気を集めています。さっぱりして脂がしつこくない。脂っこくないけれど、ジューシーなおいしさが評判です。「組合員さんと勉強会でお会いした時、『大丸さん、いつもおいしいお肉をありがとう』って声をかけてくれるんですよ。『農家冥利』につきるねえ。それまでの苦労など、すぐに吹っ飛んでしまいます」。

大丸さんご自身も「僕もこの年やけどね、焼肉用の大きなひと切れを10枚くらいぺろりと平らげますよ」。なるほど、お肌につやがある若々しさは、牛肉パワーによるものだったんですね。

「それにね、毎日牛舎に来て、牛の世話をしとったら、年取るヒマがないんよ(笑)。生きものには365日手をかけるからね、ああ忙しい」。ホルスタインの世話をするのは息子さん夫婦と一緒に。時にはお孫さんも手伝いにきてくれるそうです。

どんな肉が完成するか分からないからおもしろい。

毎朝8時、大丸さんの仕事が始まります。まずは、餌をやって牛舎の掃除をし、換気の調整をしながら牛の様子をチェックします。目の輝き、毛並みや艶、動き、そして食欲。耳がきちんと立っていることも重要で、体調がよくないと耳がたれてしまうことがあるとか。

「牛はしゃべれないからね。しかも人間と一緒で、一頭一頭の個性もあるし、クセもあるもんなんよ」。ですから、大丸さんは、毎日牛舎の中を何度も行き来しながら、入念に確認するそうです。

しかし、生産農家の心配はつきません。なにしろ、牛が自分たちの手を離れる段階ではまだ、肉の商品価値が分からないのですから。「解体してみるまで、どんな肉ができているのか分からないから、難儀な話でしょう?」と大丸さんは続けます。肉として評価の高かった牛と同じような育て方をしても、すべての牛が同等の肉質になるとは限りません。

だからこそ、牛と向き合いながら、長年の勘と技術を集結させて、全力投球をするしかない。「そこが養牛の難しいところ。逆に言えば、やりがいでもあるんですよねえ!」。

牧草は農薬も化学肥料も使わずに育てています。

そんな大丸さんの生産農家としての大きなこだわりは、牛の餌、牧草にあります。「そうなんです。使用する牧草の約90%は、自分で育てているんですよ。北海道などは別として、これだけの量の牧草を自家生産している農場は、そうないんじゃないかなあ!」。しかも牧草は農薬と化学肥料を使わずに栽培しているそう。

「余計に手間がかかるんやけどね」と言いながらも、大丸さんは笑顔です。そして牧草地にも案内してくれました。

牧草専用の牧草地は、車で30分ほど走った新燃岳の山麓にあります。ここで春ごろ刈り取った、ビタミンやミネラルがたっぷりの草をロールにして、必要に応じて牧場へ運んできます。「牧草は、牛の胃の反芻機能を支える餌で、牛にとってものすごく重要なんですよ。胃袋が元気じゃないと、餌をたくさん食べられないからね」。餌をたくさん食べてくれれば、大きく肥育できるし、いい肉を出荷できる。大丸さんが牧草にこだわる理由です。

食べものが健康へとダイレクトに影響するのは、どんな生きものでも同じ。いい餌が、いい肉へとつながるのです。

組合員さんの姿が、生産者の励みになります。

大丸牧場は、大丸さんと妻、息子夫婦、ときには孫も手伝ってくれるという、家族経営の牧場。牛と農業にそそぐ情熱には、並々ならぬものがあります。そのひとつが、たい肥づくり。牛の糞尿を自分の手でたい肥にし、田んぼにまいているそうです。養牛と米づくりで循環型農業が営まれているのですね。

日々奮闘されている大丸さんですが、「牛の肥育も牧草の栽培も、ひとりだったらどうなっていたか。まわりの多くのみなさんの助けがあったので、ここまでやってこれたと思っていますよ」と謙虚な姿勢は変えません。その昔はトラックの運転手をしていて、ひょんなことから牛の肥育農家になり、生協のための牛を育てるようになったそう。

生協の組合員さん、職員の方、全酪連。大丸さんは、みなさんに支えられて、今の農場があると続けます。「特に生協の組合員さんは、いいこと悪いこと含めて、いろんな意見を聞かせてきれるのがうれしいですね」。普段は消費者から直接声を聞く機会はなかなかないそうです。「そう考えるとね、やっぱり『人』なんですよ。この仕事ができているのは『人』に支えられてきたからでしょう。人と人とのつながりが、私の力になっとるんですよ」。

また、大丸さんは「『今夜はお肉にしよう!』と、牛肉を喜んで食べてくださる組合員さんの姿が、私たち生産者の大きな意欲につながるんですよ。決して安い肉ではないのに、ありがたいですよねえ」と教えてくれました。そして、にこにこしながら「だからね、私たちは何としてもいい肉を生産しなければなりません」と高らかに宣言!

いい肉を作るために労力を惜しまない。大丸さんの確固たる気持ちが、おいしい肉をとおして、組合員さんの信頼を集めています。

※このページの情報は2013年取材当時のものです。
 作成時から情報が変わっている場合があります。

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その土地とそこで育つ食べ物は、とても強い絆で結ばれています。その土地の気候風土は作物や家畜の特性をかたちづくり、多様な食材に対するさまざまな戴き方は土着文化の柱を築きます。生協の産直は、こうした視点を根底に持ちながら、背景とともに各地の生産者と組合員の暮らしを繋ぎます。


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