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コープ牛乳(産地指定)>おいしい牛乳は元気な牛から。

大分県日田市の山あいに広がる緑豊かな大自然の中に、 『コープ牛乳(産地指定)』を生産する安養寺牧場があります。 手間も苦労も惜しまない生産者の努力。 それが、『コープ牛乳(産地指定)』のおいしさを支えています。

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[生産者インタビュー]

大分県日田市

安養寺牧場 生産者 安養寺 敏明さん

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「息子を丈夫に育てたい」と願う親心が出発点。

大分県・日田市の中心部から車で約30分。山あいの道を登っていくと、大きな牛舎が見えてきました。
ここは、『コープ牛乳(産地指定)』の生産者の一人、安養寺敏明さんの牧場。牛舎の中では、くりくりとした瞳の牛たちが、のんびりと餌を食べています。
この地で牧場を開いたのは、敏明さんのお父さんである正明さんです。聞くところによると、敏明さんは子どもの頃、虚弱体質でやせっぽちだったのだとか。「そんな自分を心配した親父が、毎日、仕事帰りに牛乳を1本買ってきてくれていました。ただ、当時は牛乳が高価でね。『いっそ、それなら』と、自宅で乳牛を飼うようになったんです」。それから徐々に牛の数が増え、今では約220頭を飼育する大きな牧場に。妻の悦子さんと息子の大輔さん、それにベトナムからの留学生3人を加えた6人で牧場を切り盛りしています。

milk_0701_04ふかふかとしたおがくずが敷かれた牛舎。匂いがしないのは、こまめに入れ替えされている証。

搾乳は、一日の中で最も気を使う瞬間。

安養寺牧場での搾乳作業は、朝と夕の1日2回。それは安養寺さんにとって、「1日の中で最も気を使う瞬間」なのだそうです。「間違って牛の乳房にばい菌が入ったりしたら、牛が病気になってしまいます。もちろん、病気になった牛から搾った生乳は出荷することができません。そうなると経営的にも大きな痛手になりますので、搾乳の作業中は、とにかく神経を集中させています」
安養寺さん以外に35戸の生産者が酪農を営む日田地区。それぞれの生産者が出荷した生乳は、『コープ牛乳(産地指定)』を製造している九州乳業株式会社に集められます。「うちが出荷した生乳に何か問題があったら、他の酪農家が出荷した生乳も合わせて全部廃棄することになり、他の酪農家にも大きな迷惑を掛けてしまいます。それはあっちゃならんこと。だから、自分も含めて酪農家はみんな、搾乳にはすごく気を使っていると思います」

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milk_0701_06 1頭から1日当たり約20~40㎏の生乳を搾乳。牧場全体で搾乳する量は、1日約4,100㎏。
milk_0701_07 隅々まで手入れが行き届いた搾乳機。その清潔さは、とても20年近く使っているとは思えないほど。

1頭1頭の乳房の形を覚えるほど、じっくりと牛を観察。

安養寺さんが牛を育てる上で大切にしていること。それは、「牛の観察」です。「元気かどうかを把握するために、とにかく牛の様子を日々観察しています。鼻に汗が噴き出るような時は、元気な証拠。逆に、鼻がカラカラに乾いている時は体の調子が良くない証拠。牛は『ここが痛い』『あそこが痛い』とは言いませんが、体の調子が良くない時は、体のどこかに必ず何かのサインを出すんです。そのサインを見逃さないことが大事なんです」。おいしい牛乳が届けられるのは、牛が元気でいてくれるからこそ。聞くところによると、安養寺さんは牛舎内の牛をすべて見分けることができるそうです。「毎日お乳を搾るので、1頭1頭の乳房の形まで頭の中に入っている」というから驚きです。

milk_0701_08 ストレスが苦手な牛にとって、暑さと湿気は大敵。夏場になると、牛舎の天井に設置した扇風機は一日中回りっぱなしなのだとか。
milk_0701_09 牛たちが自分で体のかゆいところを掻くために、牛舎の柱に設けられているカウブラシ。これも、牛のストレス解消にひと役買っています。
milk_0701_10 「どんなに健康管理に気を配っていても、急に心臓麻痺を起こして死んだりする時もあるんですよ」と健康管理の難しさを話す安養寺さん。

おいしい牛乳を届けたい。
でも、それだけじゃ牧場はやってけない。

「酪農は、生き物が相手の仕事。お乳は毎日搾らないといけないし、お産の世話もしないといけない。盆、正月も関係なし。休みなんてありません。だからこそ、牛だけでなく自分の体調管理もすごく大事。『熱が出たから、今日は休み』なんてことはできませんから」
酪農の大変さは、生き物相手の仕事というだけではありません。日本の酪農家は、穀物をはじめ飼料に使う原料のほとんどを輸入に頼っています。その輸入飼料の価格が高騰を続け、酪農家の経営を取り巻く状況はとても厳しいものになっているのが現状です。
「酪農は、牛舎の設備などにも大きな費用が掛かります。だからといって、節約しようと思って設備のメンテナンスを怠ると、安全で安心な牛乳を届けることができなくなりますからね。おいしい牛乳を届けたい。でも、それだけ考えていても経営は成り立たない。多くの酪農家がそういったジレンマを抱えていることを、消費者のみなさんに知ってもらいたいですね」

milk_0701_11 倉庫に高く積まれた飼料の原料。多くの牛を飼育している安養寺牧場にとって、飼料価格の高騰は牧場の経営に直結する悩ましい問題です。
milk_0701_12 牛舎の中を走る外国製の大型飼料運搬車。これ1台で数千万円もするのだとか。

きれいなことばかりじゃないけれど、それでも酪農が大好き。

牛は、ずっとお乳を出し続けるわけではありません。出産と搾乳を繰り返す中で、次第に乳量が落ちていきます。1頭の牛が乳牛としての役割を果たし続けるのは、だいたい3年から4年。その後は、食用としてと畜されます。
「かわいそうだと思うけど、牧場の経営を考えると、お乳が出なくなった牛をずっと飼い続けるわけにはいきません。それは、酪農をやっている上では仕方がないこと。どの世界もそうだけど、きれいなことばかりじゃやっていけない。それでも酪農という仕事が好きなのは、消費者のみなさんに『おいしい』と喜んでもらえるからですね」

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この日は、『コープ牛乳(産地指定)』を利用している組合員のメッセージを安養寺さんにお渡ししました。一つひとつのメッセージに目を通す安養寺さんは、少し照れくさそうな笑顔を浮かべながらこう話してくれました。「いろいろ苦労はあるけれど、こうやって組合員さんが喜んでくれている声を見ると、やってきたことが決して無駄ではなかったと感じることができてうれしいですね。それは自分だけじゃなく、すべての酪農家の思いじゃないかな」

※記事の内容は2016年3月取材当時のものです。

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