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一緒に闘っています~2018年近況~

お久しぶりです。
遅くなりましたが、2018年もよろしくお願いします。

昨年末、自分自身がノロウイルスにかかり、それと同時期に子牛が治りにくい病気にかかりました。
何頭かその病気にかかってしまい、その中の1頭は特に症状が酷く危険な状態になっていましたが、何とか持ちこたえてくれ・・・今は他の子達と元気に過ごしてくれています。

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元気に復活してくれた子

 

今年に入り、既に分娩もありましたが、寒い日が続いていることもあり、哺乳期の子牛達の中でも風邪にかかりやすくなって生後1週間の子を助けられなかったり・・・実は現在も1頭が生死を彷徨っています。

経済動物で考えると、経営に+(プラス)になるか分からない。-(マイナス)になる可能性が高ければ、“安楽死”させた方がいいのは分かっていますが、産まれた時から育てて来た私には“安楽死”という決断ができず・・・

“安楽死”は注射一本で済みます。しかし、経済動物とはいえ私たちと同じ様に、1つの命を持っている事に変わりありません。

一度“安楽死”を決めた時、これまでミルクも飲まず、グタッとしていた子が、いきなり起き上がってミルクを飲み出した事があり…。

犬や猫が言葉を理解するのと一緒で、牛にも言葉は理解できるはずです。

必死に生きたいとしている子に対し、注射一本で1つの命を奪う権利は私には無いと思ってます。

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懸命に闘ってくれている子

 

この子の力を信じて、この子が生きたいと思い続ける間は、他の子と同じように愛情を注いで、ミルクを飲む量は少なくても、他の子と同様に育てて、一緒に闘おうと考えています。

経営者としては、ダメな事かもしれないけど・・・
亡くなった後に後悔しない為。

その子の力を最後まで信じたい。

そう思って、私は私なりに経験を積んでいきます。

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寒いため、ヒーターの下にみんな集まります(笑)

 

 

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内田 実花

酪農家

1994.10.17生まれ。「コープ牛乳〈阿蘇山麓〉」の指定生産者のおひとり。祖父母の代からの酪農家の3代目。3人兄弟の末っ子。菊池農業高校在学中はうし部の部長を務め、卒業後北海道で1年半修行を積み、現在は熊本県菊池市にて父母と共に酪農業を営む。

牛が死んだり、出ていく時は泣いたりもしますが、生まれてからずっと可愛がってい子達がお母さん牛になったり、なついてくれた牛が呼んだだけで来てくれたり、そういう喜びの中で、私も牛達と一緒に成長していきたいと思っています。

 

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皆様から寄せられたコメント

  1. 酪農という仕事は、常に命と向き合っている仕事なんですね。これからも大事に牛乳を飲みます。

  2. 愛を持っての生産
    ありがとうございます。

    今の時代
    安心、安全、安価
    当たり前になっていますね

    安価、、この為に生産効率を上げるための犠牲が悲しいですね

    アニマルウェルフェアに基づいた放牧飼育、生まれてすぐに母牛とは離さない飼育方法が増えていますね
    子牛に飲ませると成分が変わる…
    だから飲ませない…
    悲しいですね

    牛乳
    水より安い値段で販売され、売れ残りは大量に廃棄
    悲しいですね

    悲しい産業にならない為に
    牛乳の価値が向上する為に尽力をお願い致します

  3. このコメントが届くかわかりませんが失礼致します。

    近年、新型コロナウイルスやロシアによるウクライナ侵攻の影響で需要の緩和や飼料高騰により畜産業界は窮地に立たさせれていると思います。
    年月は経っていますが彼ら(牛達)の力を信じておそらく奮闘され続けている内田さんの姿を想像すると私もまだまだ頑張ろうと思えました!
    酪農家としての責務と底力を今一度見つめ直して日々取り組みます。

    長文失礼しました!!