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【第十八回】これからの未来を体現する、協同の実践者の生き様を見よッ…!

2017年を迎えました。COOP男子の小倉ヒラクです。

去年からリアルイベントに場を映しているCOOP男子企画。2016年末に行われたイベントの様子と、今年の告知をお届けしまーす。

住んで伝える、ローカルデザインの新世紀

COOP男子からのスピンアウトイベント『コトバナプラス』。
「協同」をテーマに、2016年8月から五ヶ月連続で開催したトークイベントが全回大盛況で終わりました!ホッ(←安堵のため息)。

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11月のテーマは『住んで伝える、ローカルデザインの新世代』。
この連載でもたびたびキーワードになっている「地域の価値をどう再定義するか」。日本各地のCOOPに託された大きな使命です。

・【第七回】greenz編集長に聞くCOOPの未来 参加して楽しいローカルな流通

ゲストは沖縄の読谷村で沖縄専門のデザイン・編集事務所を主催しているアイデアにんべんの黒川真也さん。そして山梨県北杜市で同じく山梨専門のデザイン・編集の仕事をしているBEEKデザインの土屋誠さん。

この二人、僕の大事な友人であり、ローカルデザインの新世代を体現するナイスなクリエイター。

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アイデアにんべんのラブリーすぎるデザインワーク。地元の農家や食品メーカー、村の住民に呼びかけるポスターの制作など、徹頭徹尾「地元のデザイン」にこだわる黒川さん。「どうしてそんなに地域の仕事ばっかりやるんですか?」と聞いたら「近所に買い物いったら、レジで『黒川さん、デザインつくってよ』と頼まれるんですよね〜」だそうです。その敷居の低さ、スゴくないですか?
アイデアにんべんの楽しい作品、詳しくはホームページでチェック!

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東京で出版デザインに関わる仕事をした後に山梨にUターン。
広告も助成金もとらず、自費で山梨のフリーペーパー『BEEK』を始めた土屋くん。大好きな山梨の仕事に集中するために、Uターン間もなく自分の肩書を「やまなしのアートディレクター」に改名。気合入ってる!
山梨中にフリーペーパーを配布するなかで、自然と仕事の依頼が舞い込んできたという「デザイン版わらしべ長者」の土屋くん。いまやデザインだけでなく、イベントやまちおこしのプロデュースも手がけるその多彩な活動はホームページをチェック!

二人に共通するのは「地元の生産者や自治体と、自然体で接する」というスタンス。
デザインって、どうしても「受注・発注」の上下関係が生まれたり、「よくわからないけどデザイナーの言うこと聞いとこう」という気持ちのすれ違いが起こる。
だけどこの二人はクリエイターである前に、「その土地に普通に住んで暮らしている人」なので、「人と人として、ごく自然に仕事をつくる」という事ができる。

まるで物々交換をするようにデザインをつくりだす。地域でものをつくる人と同じ目線で表現する。そういう「デザインが地域になじみきって当たり前のものになる」という新たな境地を、この二人は切り拓いていっている。

どんなデザインをつくるのか?というアウトプットの前に、どんなふうに地元の人とやりとりしながらデザインをつくっていくのか?という「プロセス」において、ローカルデザインにはたくさんの課題がある。しかしこの二人は業界が悩んできたプロセスのハードルをひょいっと越えてしまう。それはなぜかというと黒川さんや土屋くんが、デザイナーである前に「そこに暮らすひとりの個人」という意識をごく自然にもっているからだ。

手に取れる「モノ」と、そのモノの価値が伝わる「コミュニケーション」が一体となって「デザイン」が生まれる。いま僕たちが欲しいと思うのはモノと情報の重みのバランスが取れた「しっくりくるデザイン」なのであるよ。

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ということで、2017年はますますデザインが地域に根付く年になるのでしょう。
沖縄と山梨は、この二人が住んでいて本当にラッキーだと思うぜ。黒川さん土屋さんありがとう〜!

オフィシャルイベントレポートはこちらから:
・発信力を味方につけ、働き方を変えた 地域密着型デザイナーの最前線 | アナバナ

ポッドキャストはこちらから:
LOVE FM 黒川真也×土屋誠×小倉ヒラク「コトバナプラスvol.04 住んで伝える、ローカルデザインの新世代 〜未来の種を残す〜」
【前編】|【後編】

モノと自然に向かい合う。糸島女子の美意識
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最終回Vol.5のゲスト、猟師の畠山千春ちゃんとテキスタイルデザイナーのmakumoちゃんと。

最終回の12月のテーマは『モノと自然と向き合って社会の課題を考える』。
モノを受け身で消費するだけのライフスタイルから、モノが生まれる場所にどう関与していくのか。これはCOOP=生活協同組合のコンセプトに関わる課題です。

・【第十二回】ビール男子は地域を醸す!? イギリス・トットネスに根付くCOOP型経済のカタチ

ゲストは、近頃面白い人が集まりまくって注目される福岡県糸島からナイスな女子二人。猟師の畠山千春ちゃんと、テキスタイルデザイナーのmakumoちゃん。
実はこの糸島、僕の親戚が住んでいたり、玄界灘沿いに僕の母方の実家があったりと、昔から馴染みのある場所でした。それが今や全国屈指のホットスポットに…!

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最終回も会場満員の大盛況。女子二人の登壇とあって、女性のお客さんがいつもより2割増しで多かった印象。
しかし五ヶ月連続でやっていつもお客さんがいっぱい来てくれるって、なんなの?福岡の文化度の高さ、反則だろ…!!

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千春ちゃんは、震災を機に糸島へ引っ越して猟師を始めた。同時に大きな一軒家をシェアハウスにして、世代もライフスタイルも多様な仲間たちと共同生活を送っている。
色んなことをやっているように見えて、千春ちゃんの興味が一貫している。

「暮らしに関わる色んなことを、なるべく自分で理解できるようにする」

ということだ。猟をすると、他の生き物から生命をもらうということが自分の手で理解できる。シェアハウスをやるということは、小さな社会を運営するということ。

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仕留めた獣を加工したアクサリーや雑貨。適度にワイルドかつキュートで千春ちゃんらしい。

技術が発達して便利になって、「生きること」を真剣に考えなくても生きていけるようになった。使いやすく加工された食べ物を買って、ひとり暮らしの部屋に帰る。
既製品を生命をもらうという実感も、社会を運営するという実感もなく不便なく生きていくことができる。でもそれだけでいいの?自分の人生なのに、それを構成しているものがどこから来たのか知らなくていいの?千春ちゃんの言葉や生き方には、そういう素朴な「なんで?」が詰まっている。

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糸島のアトリエを拠点に、海外でも活躍するテキスタイルデザイナーのmakumoちゃん。実は僕と10年来の友だちなのです。私事で恐縮ですけど、僕、10年前当時ゲストハウスを運営してまして(だから千春ちゃんの気持ちけっこうわかる)。makumoちゃんはそこに時たまふら~っと遊びに来るさすらいの風来坊でした。

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2006〜2007年頃に運営していたゲストハウスの様子。色んな国の人と共同生活しながら、お金のやりくりもして…と、意外に今の僕のアイデンティティをかたちづくっているのかもしれない。真ん中が僕。

ちなみに僕も無職の風来坊だったんだけどね。当時の僕たちは、自分がちゃんと天職を見つけて、福岡のイケてる場所でトークするなんて絶対に予想できなかった…。人生は奥が深い。

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ルンペンから海外進出までのストーリーを紙芝居形式でプレゼン。
これがユルくてセンスいいんだ。バイト時代に集めたレトロな雑貨にインスパイアされて、テキスタイルのデザインを独学で始める。そしたら幸運にもオニツカタイガーとのコラボ案件が決まり、だんだんとブランドらしくなり、一緒に働く仲間が増え…という流れで「自分の好きなこと」が「地域で雇用を生み出す仕事」になっていく。ちなみにスタッフは千春ちゃんのゲストハウスからヘッドハンティングするらしい。何その循環。笑

僕がmakumoちゃんにとっても共感するのは、その「マイペースさ」。
自分の好きなこと、できることを「自分がしっくりくるやりかた」で発展させていく。家族や子どもと過ごす時間を大事にしたいから、暮らす場所とアトリエを分けない。糸島が好きだから、糸島に住む人と一緒に仕事する。無理に事業を拡大することもなく、トレンドに同調することもない。そしてプロダクトもハイブロウにもキッチュにもならず、makumoちゃん本人と同様「自然体」かつ「ユーモラス」。

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前の方に座っていた女子たちが、千春ちゃんとmakumoちゃんの話を聴きながら「うんうん!」と頷きまくっているのを見て、この二人はこれからのライフスタイルの理想のモデルになるのかもしれんね…と思ったぜ。

ポイントは3つ。
「自分の暮らしファースト」
「マイペースにやる」
「人と競争しないで、協同する」

と書いてみたら、もしかしてこの二人は70年代のCOOP躍進の主役であるお母さんたちの進化系なのではないかと思い始めてきた。

【第五回】キーワードはローカル!NEXT COOPの未来像

主体的に地域社会に関わる。でも、無理せずマイペース。家族と暮らしを大事に、自分のできることをコミュニティと協同しながら発展させていく。

COOPは、そういう人やコミュニティを育てる場になるのがいいね。

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ご来場の皆さま、どうもありがとうございました!またみんなで集まろう。

オフィシャルイベントレポートはこちらから:
・自分をごまかさずに生きる 個人の活動を突き詰めて、社会の課題へと向き合う方法 | アナバナ

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イベントに参加してくれたナイスな女子、天野さんがイラストいっぱいのイベント振り返りをつくってくれました。こういう楽しいアーカイブ、いいねえ。

オマケ:COOP発酵普及活動もスタート!
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トークイベントの前後の時間を利用して、僕の専門である発酵の普及活動も開始しました(←完全に趣味)。

 トークイベントを運営してくれているWEBマガジン『アナバナ』の福岡市内にあるイベントスペースで「手前みそワークショップ」を開催しました!山梨で一緒にラジオ番組をやっている五味醤油も一緒にみんなでワイワイ味噌づくり。満員御礼!

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さらに。
トークイベントの常連さん企画の「こうじづくり講座」も福岡市内のレストランにて開催。甘酒や塩麹の原料となる「麹」を手づくりできるワークショップに、福岡の発酵好きコミュニティが集結。めちゃくちゃ盛り上がったぜ。

2017年は、九州の各地域のCOOPさんと発酵企画をやっていきたいと思っているんですけど、いかがかしら?

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僕+味噌屋の五味兄妹でやっているラジオ番組もどうぞよろしく。山梨のCOOP(パルシステム)の理事長もゲストで出てくれました。

・発酵兄妹のCOZY TALK | YBS山梨

 

トークイベント、延長戦やります!
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そして告知ーーーーー!!!!!
なんと、Rethink Booksで開催したCOOP男子スピンオフイベント『コトバナプラス』、大好評につき「延長戦やって!」とお願いされました。

「僕の趣味丸出しでよければやります!」

ということで、延長戦を企画しました。大大大好きな友人、greenz.jpのプロデューサーのおのっちさん、人気ECサイト北欧、暮しの道具店を運営するクラシコム代表の青木さんと三人で「程よくマイペースに、しかし革新的なメディアづくり」を喋り倒します。

メディアや、まちづくり、ビジネスや経営、デザインやクリエイティブ、社会や組織のオーガナイズ論、スタジオジブリやほぼ日刊イトイ新聞のプロデュース論にいたるまで、いつも酒場のカウンターで繰り広げている怒涛のディスカッションを福岡で繰り広げたいと思います。この日は会場の席を入るだけ拡充しますので、みんなこぞってご参加どうぞ。

☆☆イベント詳細はこちらから☆☆

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橋爪イベントプロデューサー「2017年もCOOP男子盛り上がりそうだねえ。期待してますよ!」
ヒラク「じゃ、ビール一杯おごってください」

2017年もよろしく!
See you next…!

 

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