・世界有数の穀物生産地の生産者と特別な関係を持ち、事業を展開し続けてきたことの意義を改めて確認し、認識を深めます。
・ボブさんの大豆がどのように生産・管理されているのか産地の状況を把握し、次世代を担う職員や組合員への継承を進めます。
・SB&B社が取り組んでいる持続可能な農業について学びます。
内容
ファーゴは、かつて大きな湖だった肥沃な土地で、天候にも恵まれています。
この地域は台風や地震がないものの、8月には竜巻が発生することがあります。冬には気温がマイナス20℃まで下がり、土壌は2メートルの深さまで凍ります。この寒さは、虫や雑草の駆除に必要です。
ノースダコタ州は、トウモロコシ、てんさい、ヒマワリなど エネルギー源となる約25種類の作物が生産されています。
左から)コープおおいた後藤さん・コープさが生協中原さん・エフコープ田島さん・このレポートを作成したララコープ井手こずえです。
1 9 0 6年ひいおじいさんのジョン・シナーさんが農場を設立。
現在ボブさんで 4世代目。長男のスコットさんはじめ息子達が 5世代目として活躍しています。
約 3 0年前、日本では国産の不作と食用大豆生産者の減少のため、生協は海外からの調達を検討。ボブさんはノースダコタから単身日本へ来て、取引先を探していました。
アメリカの農産物を日本へ届ける活動を行っていたカリフォルニア州の系 2世の農業団体とボブさんと生協が出会い、日本の消費者に食べていただける大豆を生産開始しました。
1 9 8 9年本向けに大豆の国産出荷を開始しています。
SB&B F o o d s,LLCは「生産」「選別工場」「マーケティング」それぞれ 3つの会社で構成されています。
・「分別生産流通管理」(IP)はアメリカでは高付加価値として認識されています。
・IPを守るため、 SB&Bでは農家とコミュニケーションをとり、コンタミ(混入)がないことを確認しています。
・GMO(遺伝子組み換え作物)を使えば安価、しかし会社全体でNONGMO(非遺伝子組み換え作物)を重要と考えて取り組んでいます。
ノースダコタ州とウィスコンシン州にある 2つの選別工場では、コンタミなどが発生しないよう細心の注意のもと選別が行なわれています。
・農家からトラックで運ばれる→サンプルを採取しテスト→工場に搬入→巨大な袋へ (監視カメラで確認 )→ダクトを通って選別へ。
・搬入された大豆は、工場内のゴミやホコリが混入しないようにダクトを通過し、雑草やゴミが取り除かれた後、サイズごとに選別されます。
・機械の故障にすぐ対応できるよう、機械修理担当者が工場内に常駐しています。
ジムさん
・ジムさんと息子さんで 5代目の農家
・ 生協専用大豆、豆腐のための大豆を生産(約 5 0 0 ha )、他にもやトウモロコシ、てんさい、うずら豆なども育てています。
・家族で助け合う事を大切にしています。
収穫前の生協専用大豆
・ 2 0 2 4年は 5月に大雨があり一部被害はありましたが、ほぼ順調に生育しており豊作といえる年です。
・収穫は 1 0上旬頃を予定。収穫直前に霜がおりると雑草が枯れるため収穫しやすくなるので、そのタイミングを見計らうのが重要です。
・畑では大豆を 3年作り、その後は他の作物に変えて土の栄養を循環しています。
・大豆、トウモロコシ、てんさい、じゃがいもなどを作っています。
今回、アメリカの産地を訪問し、まず思ったことは「百聞は一見に如かず」です。畑の広大さ、湿度の低い気候、肥沃な大地は、五感で感じてこそだと思いました。
そして一番心に響いたことは、目には見えない「想い」の深さです。SB&B社や農家の家族、そして関係者の皆さんを大切にしていること、食の安全・安心のためにNON-GMO(非遺伝子組み換え作物)やIP(分別生産流通管理)を守ること、将来世界中で使える大豆や小麦を作るため研究を続ける熱い想いです。
ボブさんの「大変なことはあるが、家族で力を合わせてできることに恵まれている。」「いろんな人に出せる大豆を作りたい。そしてそのadvantage(利点)をみんなで共有したい。」という言葉が印象に残っています。特に家族や会社のスタッフそして農家とのコミュニケーションを大切にしていることを何度も言葉にしていたのを聞き、日常の会話を通じてSB&B社の信念がスタッフや農家さんに自然と伝わり、その想いが深く浸透していると感じました。
2日も以降も見学、交流を行っています。
続きは「後編」をご覧ください。