この研究所は大学構内にありますが、穀物専門の独立した研究所です。約40年前、3人の農家の発案から設立されました。そのうちの一人がボブさんのお父様です。
訪問時は、まだリニューアルの建設途中でしたが、完成後には世界中の大豆や小麦の研究が開始され、企業の研究にも活用される予定です。
研究者のイーデルさんにお聞きしました
●ドミニカ出身、研究について3年目
●大豆の使い方を重点に研究
●研究所では豆乳、豆腐、プロテインを製造し、味や香り、食べ方の実験などを行っています。
●大豆たんぱく質やおからなどの将来の可能性を探る研究も行っています。
イーデルさんを囲んで。
SB&B社は品種改良専用の畑を所有しており、品種改良には6〜7年の時間がかかります。そのため、アメリカ国内だけでなく、気候が異なるプエルトリコなどの他国でも年に2回の植え付けを行っています。他国での実験により、研究の進行が加速される効果があります。
・品種改良はブリーダー(種の会社)と共に協力して行っています。
・専用の畑は幹線道路から離れ、外的影響を少なくしています。
・1つの畑で24種ほど実験中
・現在使っている大豆やGMO(遺伝子組み換え作物)の大豆も一緒に植え、比較実験を行っています。
・2000種実験した内、5~10%が実用化されます。
TRADER JOE’Sはアメリカで大人気のスーパー。
店内はほぼPB商品で安価。そして商品の入れ替わりが早く、新商品が多いこともあり人気があります。
豆腐は1丁340円ほど
WHOLE FOODS
オーガニック素材にこだわった品揃えのお店なので、大豆製品が店内に豊富に配置されていました。
「SB&B社・農家ともに家族を大切に想い、常にコミュニケーションをとることを大切にしています」
「品種改良の実験や研究にはコストがかかるが、皆さんに一番いい大豆を提供するためには必要です」
「どの年も難しさは同じ。チャレンジは変化がある。失敗を繰返しながら大切なことも継承しています」
「なによりも収穫の時が一番の幸せです。
大変なこともあるが、家族5人で力を合わせて出来ることに恵まれています。」
日本では国産大豆使用の商品も多く品ぞろえされている中、ボブさんのアメリカ大豆を使用していることの「理由」や「価値」を伝えることの難しさを感じました。
ボブさんの”想い”…「家族や関係者とのコミュニケーションを大切にすること」、「世界に目を向け、他の企業や農家と共に持続可能な農業にチャレンジし続けていること」「安全・安心な作物を提供するための努力(NON-GMO、IPへのこだわり)」を伝え、組合員へ理解を浸透させていくことが重要と考えます。
今の大豆製品を大切にしつつ、今後はNON-GMO(非遺伝子組み換え作物)、大豆たんぱく質、栄養価の高さに注目した差別化できる商品開発も必要ではないかと思います。
さいごに
今回、組合員としてボブさんの大豆の産地を訪問させていただいたこと感謝申し上げます。産地の気候や土にふれ、ボブさんや家族、スタッフや研究者など大豆に関わる様々な人と交流できたことにより、全身で”大豆への想い”を感じることができました。今後はこの想いを一人でも多くの組合員に伝えていかなければならないと思います。
組合員の願いとボブさんの想いをつなげるために生協としてできることは何か、これからも追求していくことが大切です。組合員の声と参加は生協の強みです。参加を通して多くの人にその想いを理解していただき、食の安全・安心や持続可能な社会の実現につなげていくため、これからも生産者・メーカーなどとの交流が続くことを心から願います。