コープ職員ルポ

フィリピンミンダナオ島訪問記

 

コープ九州商品政策部 井上嘉博

生協のお店やカタログで並んでいる「バナナ」はたくさん種類があります。それぞれのバナナの品質やこだわりを探りにフィリピンミンダナオ島を訪れました。

 

番外編1 ~ 生協のバナナの種類とそのこだわりを解く~

「コープにバナナってたくさんあるけどどう違うのだろう?」と疑問をもたれた方もたくさんいらっしゃるかと思います。バナナは、それぞれの産地のこだわりや標高の違い等で甘さや弾力性が変わってきます。コープのあのバナナにはどんなこだわりがあるの?ここでは、現地で見て聴いて知ったことをお伝えしていきます。

コープのバナナのラインナップ

バナナは標高で個性が出てきます。まずは標高についてです。園地での標高はローランド(低地)標高0~200m、ミッドランド(中腹部)標高300~500m、ハイランド(高地)標高650m~900mと区分けされます。ローランドではフレンドリーバナナ、おやつの王様。ミッドランドではフィリピンバナナ。ハイランドでは甘熟王ゴールドプレミアム、コープの高原バナナが栽培されています。

スミフル社で行われている甘熟王ゴールドプレミアムの栽培

園内を案内してくれたロイドさん

ダバオ市内から1時間15分車を走らせ、標高1150メートルにタマヨン農園があります。タマヨン農園の面積は300ヘクタール(東京ドーム約190個分)の面積があり、スミフル社員9名、そして695名の従業員が働いています。
1970年に、前身のダバオフルーツコーポレーションのバナナ農園が設立する以前は、この地でドリアン、マンゴー、コーヒーなどの作物を栽培しており、2006年にスミフル社と統合し、今の園地ができています。
また、産地における222名の農園主の方が土地を所有しており、1人当たり5ヘクタール所有地を持っています。

アポ山の恩恵を受けたタマヨン農園の肥沃な大地

生産しているのは「甘熟王ゴールドプレミアム」。アポ山周辺の土壌はカルシウムを多く含む粘土質であり、コケができやすいのが特徴です。タマヨン農園は標高が高い位置にあるので仮茎が太く色が茶色くなります。また、甘くなるために必要なでんぷん質を多く蓄えているため、甘くてもっちりとした食感が特長のバナナができます。

園地内の集落の様子

このような肥沃な大地から甘くおいしいバナナが生まれ、それを生育する労働者が生まれ、集落ができたそうです。
品質の良いバナナが作り出した広大なコミュニティを園地内で見る事ができました。

トライスター社がシリブ農園で生産しているコープの高原バナナ

高地に生息するカタゾウムシ

フレンドリーバナナを生産しているトライスター社ですが、このシリブ農園ではコープの高原バナナを栽培しています。標高600m~700mの高地にあるシリブ農園では、低地で栽培しているフレンドリーバナナと同じ環境を作り、栽培していました。

園内のあちらこちらに配置されているため池
シリブ農園は傾斜の多い高地にあるため雨が降っても水が流れてしまうため、水たまりができにくい環境なので、トライスター社では害虫を駆除するため園地内で10m間隔でため池を作っていました。

ため池の周りに誘因植物を植える事で害虫が池の周りの草に寄ってきて、それをため池に住んでいるカエルが食べ駆除していました。
このように、ローランド(フレンドリーバナナを栽培している園地)で行っている事を周囲環境が違う標高が高いハイランドで同じ環境を作り出すことがができるように考え、実施されていました。

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バナナの木を固定する竹

ハイランドは、平地ではないのでワイヤーでバナナの仮茎を固定する事ができません。そこで倒れないように一本一本竹でバナナの仮茎を固定していました。

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土壌流出を防ぐ草。園地の周りにはマメ科の植物を植える事で土壌の流出を防いでいました。

※このページの情報は2016年取材当時のものです。
  作成時から情報が変わっている場合があります。

 

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