コープ職員ルポ

フィリピンミンダナオ島訪問記

 

コープ九州商品政策部 井上嘉博

生協のお店やカタログで並んでいる「バナナ」はたくさん種類があります。その中のひとつである「フレンドリーバナナ」は、どのようなこだわりをもって作られているのか。それを探りにフィリピンミンダナオ島を訪れました。

 

フレンドリーバナナのこだわり 
その7 ~フレンドリーバナナの歴史~

フレンドリーの始まりは組合員さんの一声から

banana_firendly_rupo_07_01
ウィリアム社長

1991年に日本で、フィリピン産バナナに使用される農薬に関する報道があり、「フィリピン産バナナは有害だ」という誤解を生んでしまいました。これを受け、コープこうべがフィリピンのとあるバナナ会社に100%有機栽培のバナナはできないか?と聞いたところ、「できない!」と言われたそうです。そんな中、当時のダバオフルーツ社(現トライスター社)から「できるかもしれない」とお応えし、依頼を頂きました。ここがフレンドリーバナナの始まりでもあります。「できるかどうか分からないが有機栽培バナナに挑戦したい!」との思いでまずはリサーチから始まりました。

 

ただ、1991年に日本のメディアでフィリピン産バナナに使用される農薬に関する報道により「フィリピン産バナナは有害だ」という誤解を生んでしまいました。これを受けてコープこうべがアメリカ資本のバナナ会社に100%有機栽培はできないか?と問うと「できない!」と言われたそうです。住商フルーツ(現スミフルの前身の社名)に問うと「できるかもしれない」とダバオフルーツ社(現トライスター社)へ依頼しました。ここがフレンドリーバナナの始まりでもあります。「できるか分からないが有機栽培バナナに挑戦したい!」という事になりリサーチベースから始まりました。

 

15ヘクタールのフレンドリーバナナの試験用農地にて1年試行錯誤しながら進めていきました。コープ神戸の技術、トライスター社独自の技術を取り入れながら指導をいただいた結果、園地においてバナナの栽培ができることが検証できました。

 

その後、1993年10月にフレンドリーバナナの輸出を開始しました。
サミット神戸、コープ神戸、住商フルーツ(現スミフル社)、トライスター社の合同で共同開発を3年かけて行っていきました。それからも安心で安全なバナナを作るための試行錯誤が行われていきました。フレンドリーバナナは今でも生協でしか扱われないバナナですが、この時点でまだフレンドリーバナナという名前はまだついていませんでした。


 


その後1995年に今のビスカヤ農園に270ヘクタールのうち90ヘクタールのフレンドリーバナナ農園を建てました。
残り180ヘクタールは慣行栽培のバナナ園地でしたが、フレンドリーバナナ園地に隣接していた為、慣行栽培とフレンドリーバナナが混ざってしまう懸念もありました。
フレンドリーバナナの園地以外のスタッフも熱心に安全安心のバナナを作る光景を見て「フレンドリーバナナのようなバナナを作ってみたい!」という声があがり、次第に農薬を減らしたバナナ栽培を目指す園地も増えていきました。全てをフレンドリーバナナ園地にすることも考えられましたが、農薬に頼らない栽培方法では農園全体が虫害や病気にかかるリスクが高くなってしまう。


それから10年が過ぎフレンドリーバナナは2005年7月に土壌線虫による壊滅的被害を受けました。寄生された土壌は1からやり直さないと安心なバナナをお届けする事が出来ないので実がなっているバナナのみを収穫し、すべてのバナナを切り倒しました。

土壌有機質の肥料を健全な苗を植えました。

 

banana_firendly_rupo_07_09
この教訓を受け、害虫を寄せ付けない忌避植物であるマリーゴールドなどを植え始めました。

 

banana_firendly_rupo_07_10
今ではマリーゴールドは植えていませんが防虫林を植え、外から入ってくる虫を防いでいます。

 

葉を枯らすシガトカ病の様子

フレンドリーバナナはバナナの葉を枯らしてしまうシガトカ病の対策のためシガトカスプレーを使用している事と、土壌に化学肥料を使っています。化学肥料を投入しないと、バナナにとって養分不足となり、味の低下を招くそうです。バナナの100%有機栽培は多少味を犠牲にしているといえます。

banana_firendly_rupo_07_13

土壌汚染であった経験や、土壌線虫被害が深刻化した場合最初からやり直さないといけないといけないので従業員一人一人が意識して働いています。
フレンドリーバナナプロジェクトはトライスター社だけで行っているわけではなく生産にあたりすごくリスクもありすぐに慣行栽培に戻す事もできるがフレンドリーバナナ生産地。そして関連会社全員でバナナを作っている事を実感できるのでこの20年続けていく事ができている。これを継続していった結果ISOやHACCPの認証も受ける事ができました。

※このページの情報は2016年取材当時のものです。
  作成時から情報が変わっている場合があります。

この記事はいかがでしたか?ご感想・コメントをお願いします。
※こちらはご覧いただきました記事に関するご感想をお聞かせいただくことを目的としております。商品等個別のお問い合わせにつきましては、正確に調査・回答させていただくために、こちらのフォームをご利用ください。