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コープ職員ルポ

沖縄離島見聞録

コープ九州:久門 智弘

都市から離れた離島や山間部など。便利な時代になっても、買い物が『不便』なところはたくさんあります。そんな地域でコープができること、コープの役割は何か?を今一度見つめた、沖縄5つの離島めぐり。3日間で、見聞きしたこと、感じたこと、島の組合員さんと語らったことを書き起こします。観光要素ゼロ、コープ100%のレポートです。

その2=計画購入だからこそ欠航はつらい。コープに何ができるのか。

離島のお買い物は、かなり計画的!?

さて、前回お伝えした沖縄離島の食べ物事情。離島ゆえの大変さを知るとともに、コープが離島の暮らしの支えになっていると実感できました。そして今回は、離島のみなさんがどのように「コープを利用しているか?」をレポートしてみます。まず、商品の注文は電話・FAX・eフレンズのみ。一部OCR注文書での運用もありますが、石垣島に近い離島だけです。注文されたコープ商品は、沖縄本島のセットセンターから石垣島のセンターに、船便で送られます。石垣島で各離島に配送する商品を整理し、名前札の貼り付けなどをした上で、コンテナに積み込みます。ちなみに石垣島から各離島への貨物便は、毎日出航していません。離島のみなさんは、計画的なお買い物をしているんですね。

こちらは石垣センター職員。配達終了後にミーティング。お疲れさまです!
こちらは石垣センター職員。配達終了後にミーティング。お疲れさまです!
日本最南端の島、波照間島のフェリーターミナル。さあさあ、コンテナが到着しました。
日本最南端の島、波照間島のフェリーターミナル。さあさあ、コンテナが到着しました。

注文した商品を受け取るのは港

コンテナの扉を開けてみると、美しくびっしりと詰めこまれた商品が。これは芸術的! コンテナが増えると輸送費も当然増えるので、スペースに無駄はつくれません。そして、港にコンテナが到着すると、組合員さんが受け取りにきます。離島では協同購入だけですので、班の代表者が受け取りにくる仕組みです。おそらく集落ごとに班を作っていると思われます。受け取りのスタイルはまちまちで、時間を決めて一斉にパパッと引き取る島、都合のよい時間帯におのおのがふらりと引き取りにくる島、個性いろいろだなあと興味深く眺めていました。それにしても日陰のない港は、さすが沖縄、暑かった!組合員のみなさんも早く受け取りを済ませてしまおうと、テキパキ荷物を積み込んでいました。

コンテナを空けると美しいモザイクのように商品が並んでいます。これぞ、プロの技!
コンテナを空けると美しいモザイクのように商品が並んでいます。これぞ、プロの技!
西表島西部での荷受けの様子。ここは保冷バッグをきちんと整列させる派の地域ですね。
西表島西部での荷受けの様子。ここは保冷バッグをきちんと整列させる派の地域ですね。

おばあの荷物は、若者が運びます

受け取りに来る班の代表者は、想像以上に若い方が多かったですね。重い荷物を運べて、車の運転もできるとなると、やはり若さが必要!なのでしょう。「あの荷物は、お年寄りの家に届けてあげるのかな」「そのお礼にお年寄りは、伝統料理の作り方などを教えてあげたりして」。これは私の想像ですが、もしも集落にもお邪魔していたら、そういったつながりが見えてきたことでしょう。人々が助け合って暮らす『コープの原点』がここにも感じられました。

こちら波照間島での荷受けの様子。ほとんどの方が帽子をかぶっているのが地域性か。
こちら波照間島での荷受けの様子。ほとんどの方が帽子をかぶっているのが地域性か。
当番さんの車に詰めこんだ1班分の商品。さすが離島、利用が多い! アイスクリームもそのまま積んでいたけれど「かちかちで届くからそんなに溶けないよ〜」。
当番さんの車に詰めこんだ1班分の商品。さすが離島、利用が多い! アイスクリームもそのまま積んでいたけれど「かちかちで届くからそんなに溶けないよ〜」。
波照間のちびっこに試食のジュースをプレゼント。コープ商品で元気に育ってね。
波照間のちびっこに試食のジュースをプレゼント。コープ商品で元気に育ってね。

2週間、ほしい商品が届かない時もある

組合員さんたちに、お話を聞いてみました。いちばん困っているのは「台風で海が荒れた時。コンテナが欠航するんだよね〜」。確かにそうでしょう。台風の動きによっては2〜3日後のお届けになることもあるそうです。その時、賞味期限の短いものは、石垣センターで目視し抜き取りとなります。さらに離島では、商品到着予定日にはすでに「次週の注文が締切されている」という状況です(注文締切が遅い「eフレンズ」も同様)。だから「『今週届かないなら、来週注文すればいいね』とはならないんです。再来週の注文になってしまう」と組合員さん。「台風で商品が届かないのは仕方ない。でも、天候による取り消しなどがもう少し早く分かれば、来週分の注文内容を変えられるんだけどねえ」。離島の悩みはつきません。うーむ。コープができること、まだまだあるんじゃない?

ご本人は熱くて大変でしょうが、なんだか絵になる。ドラム缶の中身はなんだろう?
ご本人は熱くて大変でしょうが、なんだか絵になる。ドラム缶の中身はなんだろう?
回来る時は、こんなビーチでのんびりしてみたい。が、今回はコープに専念、専念。
次回来る時は、こんなビーチでのんびりしてみたい。が、今回はコープに専念、専念。

「eフレンズ」で物流の壁をこえよう

そこで、今回の任務である「eフレンズ」の登場です。「eフレンズ」に登録した組合員さんにはメールで連絡できるので、台風による欠航や、年に1回ある貨物船ドック入りをスピーディにお知らせできます。離島でコープをもっと活用しやすくするために、「eフレンズ」をさらに広めていかねば! そんな決意のもと、さっそく港で組合員さんにお声がけし、未登録の方にはその場で登録してもらいました。また、港で出会った組合員さんへ「班のみなさんにも『eフレンズ』の登録をすすめてくれませんか?」とチラシを託してお願いしたところ、この3日間で「eフレンズ」登録者が増加! 5つの離島で64名もの組合員さんが新たに登録してくれました。離島のクチコミパワーは素晴らしい。離島における、人と人とのつながりの深さにも気づかされました。

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皆様から寄せられたコメント

  1. 私は小さな島が好きで、そこで暮らしてる人は食料品等どうしてるのかな~と思っていたので、とても興味深く読ませていただきました。これからも頑張ってください。