コープ職員ルポ
都市から離れた離島や山間部など。便利な時代になっても、買い物が『不便』なところはたくさんあります。そんな地域でコープができること、コープの役割は何か?を今一度見つめた、沖縄5つの離島めぐり。3日間で、見聞きしたこと、感じたこと、島の組合員さんと語らったことを書き起こします。観光要素ゼロ、コープ100%のレポートです。
今回、私、久門 智弘が訪れたのは、誰もが知る沖縄の離島・石垣島と、さらにその先にある島々です。石垣島から近い順で、竹富島、小浜島、西表島、与那国島、波照間島の5島。そもそも何で行ったのかって?きっかけとなったのは、コープおきなわの組合員さんに、「eフレンズ」を広める取り組みへの参加でした。それならば「コープ商品が届いている“はじっこ”を見てみたいんです!」と上司に直談判したんです。結果、離島エリアにも「eフレンズ」を広めるという任務をゲット。なんて言いつつ、実は「コープが離島でできること」をちょっと考えてみたかった。また「離島の組合員さんの暮らしぶりを直に見たかった」という思いもありました。
さて、離島の食べ物事情から話していきましょう。まず、人口が4万5000人もいる石垣島は、なかなかの都会でした。コープおきなわの生協センターの他、スーパー(マックスバリュー、サンエー)、コンビニ(ファミリーマート、ココストア)、エディオン、TSUTAYA、西松屋などの店舗があり、食料品や日用品、家電などの買い物には不自由しません。また、竹富島と小浜島は、石垣島から船で30分以内という距離。週末は船に乗り、石垣島へ買い出しに行く人も多いそう。組合員さんも「これはコープに注文するけど、あれは石垣島で買うよ」と使い分けている人が多かったですね。
石垣島から遠い島と言えば、与那国島と波照間島です。与那国島は、石垣島から飛行機で約30分、船ならば約4時間かかる。しかも、交通費だってバカになりません。ですから、1週間に必要な食料のほぼ100%を、コープの商品で賄っているという方がほとんど。
「コープの配達はとても助かっている。絶対、配達をやめないで! 私たちの暮らしが成り立たなくなるからね」という声も聞かれて、なんだか使命感が加速しました。やったります!不便さが残る離島において、暮らしの必需品となっているコープ。生活協同組合という『コープの原点』みたいなものが、離島には色濃く残っているとも実感しました。
人口の多い西表島などには、個人商店もあります。島の人々のために頑張って営業しているのだけど、やはり品揃えの少なさは否めません。「牛乳1パック295円、もやし1袋130円、カップ焼きそば320円、レタス1玉400円」と、すべてが高くて思わずメモしましたね。野菜類や日持ちのしない食品は、仕方ないのです。輸送費も転嫁されているのでしょう。
価格のことを言えば、コープ協同購入カタログの販売価格は、離島エリアにおいても沖縄本島と同じに据え置いています。別途で離島配達手数料はかかりますが、グループ利用で1人につき、石垣島と宮古島が200円〜334円、石垣島周辺離島が401円〜669円となっています(※)。正直、あんまり利益が出ない時もあります。しかし、離島の食糧事情を知れば知るほど、「それでもこの価格設定を続けてほしい」と声を大にして言いたくなります。ここにも生活協同組合として、組合員さんの生活を支えるという、『コープの原点』が浮き彫りになっています。(コープおきなわ、大変だけどがんばって!)。
※沖縄の離島エリアではグループ利用のみ。手数料はグループの購入金額により3段階に分かれています。
離島の組合員さんの中には、民宿の大将・おかみさんもいます。コープの配達で、納豆やプチトマト、冷凍食品など、同じ商品を大量買いで注文しているそうですよ。宿泊客への朝食に活用しているんですね。また、フレーバーなしの炭酸水は離島でも大人気! 水やビールも含めて、とにかく飲料の購入が多かった。石垣島から自力で運ぶとしても、重いですものね。そして私たちが持参した試食サンプルで好評だったのは、冷凍パンです。パン屋さんがある島は少ないし、台風で食料が届かなくなった時に非常食として食べられますね。
この夏久しぶりに沖縄旅行を計画中(主人の仕事が入らないことを祈るばかり…)。「沖縄・離島」の見出しについ覗いてしまいました。離島の組合員さんにとって、週1回の配達日は、特別な一日なのかもしれませんね。担当さん、ヨロシク!組合員はあなたを待っています!
田尻さま、コメントありがとうございます。
見聞録を書きました、コープ九州の久門です。
沖縄旅行、計画通りすすんでいらっしゃいますか?
あっ、もう行かれましたでしょうか?
沖縄本島や石垣島は、お店も多く、商品も特に不自由することもありませんが、そのほかの離島ではお店も少なく、物流は船頼みで、商品があっても配送費が上乗せられた価格でした。生鮮品は福岡産のレタスが1玉400円、もやしが1袋130円などで売られていました。
それもたくさんの品数ではなく、少しの量です。
週に1回の生協の配達には、たくさんの組合員さんがたくさんの商品を利用していただいていました。
離島には離島なりの暮らしがありましたが、もっともっと、生協として暮らしを便利にするお手伝いを今後もやっていかなければいけないと感じました。
当日は参加できませんでしたが、遠い所まで来て頂き、ありがとうございました。
離島の事情は、沖縄県内でもなかなか知られておらず
、従って理解もされにくいため、日頃の活動としては、離島組合員さんの声を聞いて本部に届けること。それに対して、コープ全体としてできることできないことを熟慮の上で返して行くこと。その繰り返しです。
先日、石垣センター長と共に、コープ男子小倉ヒラクさんを囲む会を開きました。これからも方向性についてアドバイス頂きたいです。また、こちらの活動についても是非、またご紹介いただけますよう、よろしくお願いします。
コープおきなわ 宮古・八重山ブロック理事
中里なおみ
中里さま、コメントありがとうございます。
そうですね、離島にお住まいの方に限らず、生協に対しての要望は数限りなくあると思います。
要望に対しても「できること」「できないこと」はあります。
でも、その組織で働くものとして「ちょっと無理かもしれないけど、生協に言ってみるだけ言ってみようか」と思っていただける組織ではあり続けたいと思います。
離島で見てきたこと、感じたことを、仕事・プライベートにかかわらず、これからも伝えていきたいと思います。
久門 智弘
離島はたいへんだなあ、と。