コープ職員ルポ
都市から離れた離島や山間部など。便利な時代になっても、買い物が『不便』なところはたくさんあります。そんな地域でコープができること、コープの役割は何か?を今一度見つめた、沖縄5つの離島めぐり。3日間で、見聞きしたこと、感じたこと、島の組合員さんと語らったことを書き起こします。観光要素ゼロ、コープ100%のレポートです。
連載もいよいよ最終回。これだけは忘れちゃならんということで、私、久門が今回、テーマにかかげていた「コープが離島でできること」を復習したいと思います。まず、物価が高い離島において、コープ協同購入カタログと同じ価格で商品をお届けできること。これが第一でしょう(ひとりにつき200円〜669円という離島配送手数料はかかります)。また、島の外へ気軽に買物に行けない離島ほど、コープの存在を頼もしく感じていることも実感できました。さらに、台風などの発生による不便さも、「eフレンズ」登録の推奨で、今後解消できそうです。「まだまだコープには、離島でできることがある」「離島こそ、コープが、『eフレンズ』登録が、必要である」。今回の離島めぐりの答えが見えてきました。そんな時、思わぬうれしいお誘いが…!みなさんの尽力により、小浜島で「夜の『eフレンズ』説明会」を開催できるようになったのです。
コープ石垣地域協議会の組合員で、石垣島にお住まいの緒方さん、砂川さんのお声がけにより、小浜島の集会所にみなさんが集まってくれました。夜8時という時間帯にもかかわらず、全組合員さん20名のうち12名が参加。いやあ、離島のコープのネットワークは強い!グループ利用のみですから、個配より手間も時間もかかるでしょう。しかしその活動をとおして、組合員さん同士のつながりは、確実に深まっています。会では、ハンバーグやパスタなどコープ商品の試食をしながら、『eフレンズ』の説明からスタート。なんと12名中11名の方が登録済みで、残り1名の方もその場でスマートフォンから登録していただけました。
会では、小浜島の組合員さんから、さまざまなご要望や意見を聞くことができました。「webカタログで注文するから、紙カタログは停止できたらいいんだけど」「『eフレンズ』の注文フォーマットに、コープへの連絡を書き込める欄があるとイイネ!」「コープは、ネットやメールをもっと活用するべき」。その内容は前向きで「これからもっと頑張ってね!」「こうすれば私たちさらにコープを利用したくなる!」という気持ちが伝わってきます。なにしろ組合員さんの声でつくられているコープです。私が新入職員だった頃は、こんな班長会がよく開催されていました。まさに古き良きコープの姿がここにありました。
会の最後は、組合員の緒方さんが締めくくります。「出してもらった意見や要望は、ずっとコープに伝えていきましょうよ。今すぐ実現は難しいかもしれません。でも、過去に、時間がたって実現できたことがいろいろありますから。私たちも石垣島に戻って、コープ職員に伝えますよ。コープは組合員の組織ですもの。一緒にやりましょう。声を伝えていきましょう!」。素晴らしい言葉。感動です。そう、『コープは組合員さんのための組織』です。利潤追求だけでない、組合員さんの要望に応えられる組織であり続けねば!
沖縄の離島から戻り、報告書をまとめながら、今、考えるのは、離島や山間部など不便な場所にこそ、みなさんのご要望に『応えられる組織』が必要だということ。コープは今現在『応えられる組織』であるし、今後も『応えられる組織』であり続けることが使命です。また、場所に限らず、不便な思いをしている組合員さんはたくさんいます。 たとえば、以前、アレルギーをお持ちのお子さんがいるご家庭から「今年はコープの共同購入カタログで、クリスマス用のアイスケーキを見つけたから、アレルギーの子も一緒に食べられて、とてもうれしかったです!」との声をいただきました。せっかくのクリスマス。ケーキ探しもひと苦労だなんて。そんな不便もあると痛感した我々はその後、共同購入カタログでのアレルギー対応ケーキの販売実現に奔走。お子さんのためにがんばる組合員さんを応援したいの一心だったと記憶しています。今回、離島で再確認できた『応えられる組織』コープ。その姿を内外に伝え、みなさんに訴えていきたいと思うようになり、このレポートも書かせていただきました。 「コープは、組合員さんのための組織」。それが『コープの原点』なのですから。
さてさて、レポートもそろそろ終わりです。ほぼ港しかめぐれず、観光要素ゼロの内容になってしまい、スイマセン。3日で5島という超・駆け足の日程は、地元のみなさんにも驚かれましたよ(笑)。私がコープに入協して25年以上が経ちました。入協当時(1988年)のコープは、今の沖縄離島のように、班配達がほとんどで、商品のわけあいは情報交換の場でした。今回見た沖縄離島にはその姿がありました。人と人とのつながり、そして組合員さんのためにあるコープ。それらすべてが、このレポートに何度も登場した言葉『コープの原点』の姿です。沖縄の離島でたくさんの『原点』に出会えたこの出張を、次なる活動につなげていきます。ご拝読、ありがとうございました!