コープ職員ルポ
コープ九州では「コープ九州復興支援企画チーム会」を結成し、2015年から東北の商品特集を行っています。今回、チーム会メンバーが商品を利用された生協組合員からの応援メッセージを東北に届けてきました。
「コープ九州復興支援企画チーム会」では2015年3月①週より毎年3月、6月、10月に別チラシにて東北復興支援企画を行なっています。また定期的に、利用された組合員より東北のメーカーさんに向けて応援のメッセージもいただいております。2016年3月①週企画では1035通もの応援メッセージをいただきました。1035通の応援メッセージは、東北のメーカーさん7社に向けてのもので、そのうち5社には郵送で、2社には直接訪問してお届けするようにしました。
当初、この訪問は2016年8月末に予定していました。しかし、東北の太平洋側に直接上陸するのは1951年の統計開始以来初めてとなる台風10号の影響で延期をせざるを得なくなりました。訪問予定のメーカーさんには、急遽、応援メッセージ(冊子とポスター)を郵送でお届けすることにしました。また、日を改めて再度訪問することにしました。
そして、11月14日(月)15日(火)の二日間、コープおおいたの小川理事、生協くまもとの中野理事、コープ九州事業連合の江藤専務、店舗営業企画担当の伊良部と私の計5名で、改めて東北のメーカーさんを訪問しました。応援のメッセージは先に郵送でお届けしていましたが、再度、応援のメッセージ入りのポスター(チーム会メンバーの写真も入った)を作成しました。訪問の主な目的は、そのポスターを届けるため、交流を深めるため、工場見学を通して商品をもっと知るためです。
初日に訪問したのは、福島県喜多方市の(株)河京様(喜多方ラーメン製造)です。
ご対応いただいたのは、社長の佐藤様(写真右)、営業部部長の池亀様(写真左)、営業部課長の五十嵐様(写真中央)です。お三人様に震災から現在に至るまでを語っていただきました。
福島県は東から、「浜通り」「中通り」「会津地方」の3エリアに分けられ、喜多方市は会津地方に位置します。東日本大震災では「浜通り」エリアは地震、津波、原発事故で甚大な被害を受け、今も立入禁止地域があります。一方、東に位置する喜多方市は、地震こそ大きかったものの、被害はそこまで大きいものではありませんでした。しかし、原発事故に伴う風評被害が大きな影響を及ぼしました。
風評被害により、震災直後、大量の返品を受けました。製造しても需要が激減しているため、2日稼動、2日休業のサイクルでまわすしかありませんでした。商品は問題ないのに供給できない現実の中で悲しくもありくやしくもありました。また、観光地でもある喜多方市には毎年多くの修学旅行生が訪れます。しかし、ここにも風評被害の影響があり、震災直後、キャンセルが相次ぎ修学旅行生を見ることがなくなりました。観光地にとってこれは大きな痛手です。
震災から約半年たった頃、全国各地から支援の声がかかるようになりました。それからは通常の稼動ができるようになりました。この支援のおかげで今の自分たちがあると言っても過言ではありません。今も支援を続けていただいているコープ九州の復興支援企画に対しても感謝の気持ちでいっぱいです。また、いただいた組合員の応援メッセージは涙が出るほど嬉しかったです。
支援の輪が広がったものの、売り上げは震災前に比べ2割減です。大きな要因はやはり風評被害です。消費者庁によると今も2割弱の人が「福島県の商品を購入したくない」と考えていて、そのためお土産としての売り上げがなかなか伸びません。修学旅行生も震災後5年間は見ることがありませんでした。ただ、今年になって修学旅行生が戻りつつあります。新商品も出していき、もっともっとアピールしてこれからもがんばってまいります。
喜多方ラーメンの特徴は太目の平打ちちぢれ多加水麺です。他の土地のラーメンと比べてもかなり太目と言えます。
高品質な厳選された一等級の小麦粉と高品質な河京様オリジナルの小麦粉を独自の配合でブレンドし、じっくり熟成をかけることで、ツルツルでコシのある食感になります。 麺は製造されるとすぐに箱詰めされていました。