コープ職員ルポ
生協のお店やカタログで並んでいる「バナナ」はたくさん種類があります。その中のひとつである「フレンドリーバナナ」は、どのようなこだわりをもって作られているのか。それを探りにフィリピンミンダナオ島を訪れました。
温暖な気候のフィリピンはバナナの害虫となる虫の生育が活発です。そのような環境の中フレンドリーバナナの農園では、農薬を使わずに害虫を駆除しています。その知恵と工夫を凝らした取り組みをご紹介します。
バナナの天敵となるゾウムシ。バナナの根元に卵を産みつけて幼虫が孵化し、根を食べて枯らしてしまうそうです。
そのため、収穫を終えて伐採した古い親株の断面を切り、ゾウムシのトラップ(わな)を作っています。ゾウムシは夜行性で、昼間暗く湿った隙間に入る習性があるためこのトラップに集まってきます。
2日に1回園地の従業員が見回り、トラップに集まったゾウムシを一匹一匹手で取り駆除していました。
カイガラムシはゾウムシと違って、茎の隙間に繁殖します。これがバナナまで行き、バナナに付着するとこのようになってしまいます。
ここでは虫の特性を活かした駆除方法が取られていました!水と油を混合させる界面活性剤を入れ、「SK Oil」という植物性の油を作っている様子です。これをバナナの茎に散布する事でカイガラムシの殻(から)を溶かします。
この殻を溶かし日光にさらす事でカイガラムシは死滅します。
このように、化学農薬を使わず虫を駆除する方法を編み出し安全・安心なフレンドリーバナナを生産していました。
園内にはたくさんカエルがいて、害虫を食べてくれています。フレンドリーバナナを育てている地区は、ローランドと呼ばれる標高が低い低地であるため、水たまりができやすく、カエルの住みやすい環境となっているそうです。
最近のミンダナオ島での状況とバナナの生育について、ウィリアム社長にうかがいました。「バナナの園地って、すごくオペレーションが難しいんだよ。1カ月100mlの雨を下回ると水が不足し害虫が増え、200mlを超えるとバナナの葉を枯らすシガトカ病が発生しやすくなる。また、1カ月に15日~20日の降雨日数がバナナにとっては理想だけど、天候は思い通りにはならない。
2016年の干ばつの時はバナナの生育が悪く、安定して提供できなかった時期もあった。フィリピン沖で発生する台風は、発生後、北上するのでここに台風が直撃することはなかったけど、近年北上せずに台風が直撃することがあって、大きな被害をうけた事もあったんだよ。それでも組合員さんへは、安全で安心なバナナを提供し続けて行きたいと思っているよ!」とおっしゃっていただきました。
※このページの情報は2017年取材当時のものです。
作成時から情報が変わっている場合があります。
駆除法薬剤ありますか教えて下さい。
スーパーで売られているバナナがどれだけ安全安心なのか、私たちにはわかりません どれを基準に安全なバナナを選べば良いのか、詳しく教えてください。