コープ九州機関運営・広報部 石井梨香
コープ九州では、酪農の持続的発展をめざして、九州の酪農家や農協、乳業メーカーなどと協力して「集約放牧酪農」の共同研究を行っています。その理由や活動内容をお伝えします。
講演の後は、講師のお二人と、牧草の専門家である熊本県酪農業協同組合連合会営農推進課の増田靖さん、エフコープ生活協同組合組合員理事の佐藤智重さんと篠澤真喜子さんで、パネルディスカッションを行いました。
二つの講演を受けての参加者からの質問もきっかけとして、酪農家を増やしたいが、設備投資が大きいこと、乳牛の値段が高いこと、糞尿処理の問題などから新規就農が難しいこと、酪農に関わらず労働力不足が起きていることなどの状況について意見が出され、そのような中、自分が搾った牛乳を飲んでもらって「おいしい」と言われることが酪農家のやりがいであること、集約放牧酪農で作られる牛乳を広く組合員に告知して応援したいことなど、生産者、消費者双方の思いが語られました。
集約放牧酪農についても、九州での実施は十分可能であるが九州で育つ草を活用した放牧の仕方を開発しなければならない、水田や河川敷を活用するなどもっと幅を広げて考えてもよいのではないか、その結果穀物飼料としての輸入を減らすことになれば、世界の食料の課題解決に貢献することになるのではないか等の意見が交わされました。
<参加者感想より>
・九州での集約放牧を行っていく難しさが解りました。しかし、これからは私たち消費者も食に対してもっと向き合い責任ある消費をしていかないといけないのでは…と考えました。
・九州でのグラスファーミングの実践を強く期待し、多くの組合員さんと共有し、新しい酪農後継者を作り、SDGs課題を達成させたいと思いました。