エフコープとワインのおつき合い。実は深くて長いんです。1983年、現地・ボルドーの生産協同組合を訪ねたのが、なれそめでした。品揃えが増えた今、「想像以上に、充実しているね!」とほめていただく機会も多数。ワイン好きなエフコープ職員も胸を張るほどです。しかし、若手職員(であり、ワインは素人です!)の秋成紗恵子は前々から、どこか腑に落ちていませんでした。「ワインの“果実味”って何なの?」「“スパイシー”ってどう伝えればいいの?」。自身が担当する「よかもん」のチラシ紹介文や売場のポップを眺める度に、秋成のモヤモヤはつのります。
「私と同じように、ワインを表現する言葉を、難しく感じている組合員さんも多いはず!チラシやカタログで、ワインのおいしさがちゃんと伝わっているのか、みなさんに聞いてみたい。そして一緒にワインをもっと楽しめるようになりたい」。ワインがますますおいしく感じる秋の一日。秋成プレゼンツで、組合員さんとの試飲会を開催する運びとなりました。ワインの試飲会は、エフコープ初の試み。「とにかく一度、開催させてください」という秋成のやる気から実現しました。
まず相談させてもらったのが、エフコープのワイン選びにアドバイスをいただいている、PJワインセラー(北九州市)の安 映子さんです。安さんによると「フランスのワインは歴史も深く、地域性も豊かで、学びがいがあるワインですよ」。ならば、と今回はフランス産ワインのみに絞り、安さんと一緒に5銘柄を試飲ワインとしてセレクトしました。しかも赤ワインの産地はすべてボルドーです。なぜって、エフコープが初めて販売したプライベートブランド商品のワイン「ベルフランス」はボルドー産ですもの。また福岡市とボルドーが姉妹都市であることもカギとなりました。そして秋成目線でワインについても安さんに取材。試飲会準備に役立てます。
迎えた当日、会場に集まってくださった組合員さんたちは、ワインを飲みなれた方、そうでない方といろいろ。フランスワイン・ラヴァーもいれば、「ふだんはイタリアワインしか飲まないの」「白ワイン派」なんて方もいて、いろんな意見が聞かせてもらえそう。さて、会をオーガナイズする司会は、秋成本人です(COOP WEB LABO初登場!)。
「おいしい」のほめ言葉ばかりでなくていい。組合員さんたちが、普段ワインとどんなおつき合いをしているのか?を知るために「今日は、ご遠慮なさらずに、素直な感想をお聞かせくださいね!」とお伝えしました。安さんからお聞きした各ワインに対する紹介や知識は、あらかじめカードに記載しています。その紹介文を読みながら、組合員さんそれぞれに「ご自身はどう感じられたか?」をカードの裏面に書いていただきました。
飲みながら食べながら、にぎやかにお喋りしながら、組合員さんから飛び出す感想は、リアルな女性のひと言です。味わいの捉え方も、おもしろいほどにそれぞれ。「スミレのような香り」「チェリーのような」などワイン独特の味わいの表現についても、試飲しつつ検証することができました。詳しくは、左のWINE LISTよりアクセスしてください。ワインの紹介文もいっしょにどうぞ。
ワインの試飲は、味の違いが分かりやすいように、口当たりの軽いものから、重いものへとグラスを重ねます。1杯ずつ銘柄を変える、利き酒ならぬ、利きワイン。「ひとつずつ、ハッキリ味が違うわねえ!」「赤ワインの後に、白ワインを飲むと、不思議と軽く感じるわ」。組合員さんたちにも新鮮な発見があったようです。また、味を引き立てあう、料理選びも安さんのアドバイスに沿って、抜かりなく準備。軽い赤ワインには、チーズやボロニア風ソーセージを。ワインが重くなるにつれ、ずっしりした肉料理をお出しします。
そのひとつが、2015年に誕生した新ブランド「コープクオリティ」の「旨さジューシーハンバーグ(デミグラスソース)」。「このワイン、ちょっと重いからお肉に合いそうね!」と感想をいただいた後にタイミング良く提供され、みなさん大歓迎の様子でした。
エフコープ生活協同組合 商品政策部
2008年エフコープ生活協同組合入協。共同購入配達、商品関連の部署をいくつか経て、2015年商品政策部へ。組合員と生産者の思いをつなぐチラシ「よかもん」担当。「ワインの勉強をしてますます美味しく飲めるようになりました。組合員さんにお気に入りのワインを見つけてもらえればうれしいです」。
パンジャパン貿易株式会社 PJワインセラー取締役副社長
貿易会社を営む父の影響で幼少から海外に興味を持ち、英語、中国語を学ぶ。西南大学卒業後、東京の航空会社を経て父の経営するパンジャパン貿易へ。フランス食品振興会認定コンセイエ。全日本ソムリエ連盟認定ソムリエ。日本ソムリエ協会認定ワインアドバイザー。