コープ職員ルポ
日配商品部で「牛乳」を担当している田盛 誠貴です。若手酪農家が営む『柿元牧場』の産地視察に行ってきました。酪農家が減少している中、生協組合員やこの記事を見て下さっている方々に「酪農」の素晴らしさ、ご夫妻で消費者(組合員)との交流を大切にしている柿元牧場について紹介します。
鹿屋市役所から車で約15分、緑豊かな自然と広大な畑が広がる中に『コープ牛乳(おおすみ)』を生産する柿元牧場があります。ご夫婦で3人のお子さんを育てながら、酪農業と向き合っている柿元ご夫妻は、使用している飼料も輸入に頼るのではなく自給飼料の生産にこだわりを持った経営で、日々の乳牛の管理を徹底する努力が『コープ牛乳(おおすみ)』のおいしさを支えています。
柿元勇司・真美さんご夫妻は、高校時代からの同級生。平成14年から酪農を始めて、現在15年目になります。ご主人の勇司さんは高校を卒業後、北海道の専門学校で酪農を学ばれました。生まれたころから牛のいる環境で育ったこと、そして何よりも牛が好きだったこともありますが、一番は中学3年生の時にお父さんが入院した事。それが自分のこれからを考えるきっかけになったと振り返ります。奥様の真美さんとは、高校時代の共通の活動等で知り合い、勇司さんが鹿児島に戻った時に結婚されました。真美さんは酪農の仕事は初めてだったといいます。
柿元牧場には130頭の牛がいます。その内の30頭が育成中の子牛です。子牛以外の乳牛に与える餌(粗飼料)をほぼ自給で生産しています。
牧草地では主に飼料用とうもろこしと牧草を育てており、その自給飼料の生産に使用する堆肥は牧場から出る糞尿を使っており、まさに循環型農業を実践した『えさも堆肥も地産地消』の酪農を行っています。特に夏場の「飼料用トウモロコシ」の収穫は大変な作業で、大型の作業機械を導入することができ、随分楽になったということです。
コープ九州では「牛乳をもっと飲んでもらいたい」、「酪農という仕事を身近に感じてもらいたい」また、「酪農家の状況を知ってほしい」という想いで、夏休み期間に合わせて「酪農交流会」を開催しています。
柿元ご夫妻も『牛乳を飲んでくれる組合員との交流を大切にしたい』という想いが一致し、2015年度、2016年度は柿元牧場で「おおすみ酪農交流会」を開催しました。
参加した組合員の皆さんからは、「いつも飲んでいる牛乳を作るのは、とても大変なんだと思いました。」などの感想が寄せられ、酪農の作業を体験する事で『毎日当たり前のように飲んでいる本物の牛乳のおいしさ』を感じ取ってもらえる場となりました。また、組合員のお子さんからも「乳搾りがとても楽しかったです」、「牛がとても臆病な動物だったことにビックリしました」などの声があり、大盛況でした。
生産者の苦労話や、消費者(組合員)に「おいしい牛乳」を飲んでもらうため、真剣な気持ちで酪農と向きあっている事が分かり、「もっと牛乳を利用していきたい」という感想も寄せられていました。
「私たちが頑張った分だけ、牛は応えてくれ、おいしい生乳を出してくれます。
生協のカタログに私たちの牧場のことが掲載された時は、たくさんの方から『写真載ってたね』、『牛乳買ったよ~』という言葉をいただくことがあります。その事で、私たちの牛乳を周りの方が飲んでくれていると実感できます」
「搾乳する時には最大の注意を払っています。それは、私たちの牛乳を利用される方々に安心して飲んでいただきたいからです。これからも頑張っておいしい生乳を生産しますので、たくさん牛乳を飲んで下さい!」と力強く語っていました。