コープ職員ルポ
2019年1月、コープのオリーブオイルの原料産地であるスペインとイタリアに行き、オリーブ農園、製品化までの工程及び品質管理の状況を確認してきました。
シンプルな原料ゆえ、品質には細心の注意を払っていることが身をもって実感でき、自信をもって、おすすめできる商品であることを再認識しました。
今回は、生産の様子を視察の順にご報告します。
世界のオリーブオイルの約4割はスペイン産です。アセスル社は、オリーブの生産・搾油・精製・販売まで一貫して手がけており、COOPオリーブオイルの原料の約半分を供給しています。オーナー所有の農園では、150種のオリーブの木を栽培しており、それらをブレンドして、各国の嗜好に合ったオイルを製造する研究も行っていました。
オリーブオイルの搾油期間は10~5月で、12~1月がメインシーズン。オリーブの実の収穫は、木を高速振動で揺らすトラクターを使って行います。機械では落ちないものは、人が振動する「くし」を使って落としています。広大な農園を目にして、収穫に非常に手間をかけていることを実感しました。
収穫した実は搾油工場に運びこまれ、ふるいを使って葉や枝を選別します。その後、水で洗浄し、種ごと粉砕します。粉砕しただけではオイルの抽出がしにくいため、撹拌機を使ってペースト状に練ります。この工程でオリーブの風味が増すそうです。遠心分離機でオイルを抽出。酸化しない(酸素に触れさせない)ように、タンクを常に満タンにして保管します。
収穫からオイルになるまでは48時間以内で行われており、このスピードがフルーティな風味を生み出しています。オリーブオイルの品質は、オリーブの実の鮮度で決まります。品質が高ければ高値で取引されるため、業界全体として収穫から搾油までの期間を短くする努力がされています。このため、収穫時期は農家も搾油工場も24時間体制で稼働しています。
サブロ社では、世界72か国でオリーブオイルを販売する世界有数の企業です。オリーブの果実そのままの豊かな香りと風味が特徴であるCOOP&BERIO(ベリオ)オリーブオイルも製造しています。
一定の品質を保つため、複数のオイルをブレンドしていますが、各原油タンクから直接製品タンクに送油して攪拌される流れになっており、エキストラバージン、ピュア、その他のオイルが混じらないよう、ラインをわけて管理しています。アセスル社同様、収穫から保管まで手を抜いていない点が印象的でした。
COOPのオリーブオイルは、スペインやイタリアで製品化したオイルを酸化が進まないよう専用ドラム缶で輸入し、日本国内で充填することで更なる品質の強化に努めています。製造委託先である(株)J-オイルミルズ内の“オリーブオイルテイスター”が日本人の嗜好に合った風味と味わいを厳しくチェック、いつも安定した風味・味わいのオリーブオイルをお届けしています。
両国を通じて、食に関しては日本人の嗜好に合うという印象を受けました。スペイン・イタリアではオリーブオイルが食卓にある風景が当たり前となっており、サラダ、生ハムなどいろいろな食材で食され、オリーブオイルがいかに生活に浸透しているかを体験できました。
これから生協の組合員さんにオリーブオイルのさまざまな活用法を伝えていきたいと思います。
記事作成日:2019年5月