コープ九州 商品本部 農産商品部 田中 宏樹
エフコープ生協 商品企画部 商品課 高木 修
事業政策支援本部 CRM推進部 上田 千歳
2024年6月、生協産直品質保証システム「生協版適正農業規範 青果・米編点検表2023年5月版」を用い、虹の農場の生産者お二人と田中バイヤー、スミフルプロセス柴田慎嗣様、エフコープ高木担当 上田立ち合いの元、点検を行いました。
虹の農場はコープ九州の産直産地のひとつです。銀山のふもとで育てられる柔らかなアスパラは春芽は5月下旬に、夏芽は7月下旬から9月上旬の間、食品カタログにてご案内しています。
約51ページにわたる「生協版適正農業規範 青果・米編」を用い、事前に西塚さんにチェックいただいた内容をコープ九州、田中、エフコープ高木が互いに確認していきます。
生協版GAP点検の特徴でもある「組合員との交流」については、2023年度山形の生協である「共立社」の皆さんとの交流についてお聞かせいただきました。
交流の様子はこちら↓↓ 2024年度も7月24日に交流を予定されているそうです。
アスパラガスの「へえ!」
選別の機械に一本ずつ置き、カット、サイズ別に分けられていました。
アスパラ専用のシッパーについて説明を受けました。保冷剤を入れるゾーン、穂先がつぶされない工夫がなされています。
アスパラを九州まで鮮度を維持して運ぶために保冷が大変重要だそうです。
【収穫後】
収穫後洗浄。水がついたまま保冷用の専用の発泡スチロールに入れ、冷蔵庫に保存します。水が蒸散して保冷を維持できる、とのこと。マルカン(市場)に保冷剤を1枚入れて送り、さらに、マルカンでは保冷剤を2枚入れて陸路で福岡まで輸送するそうです。
収穫から中2日で福岡県篠栗町の農産加工センターに到着します。
【収穫時間】
収穫はいつ行ってもいいそうですが、午前中、朝収穫したもののほうが柔らかい、とのこと。夕方とったものは”がしがし”するそうです。
アスパラは種をまいてから、4年、5年後に収穫できるようになります。出荷するまでとても長い時間が必要です。
【圃場で質問】
Q:成長した株はその後、何年ほど収穫できるんですか?
A:うまくいけば20年ほど。しかし、菌が入るなどしたら1年で全滅します。発酵がうまく進んでいない肥料の影響でダメになる圃場もあります。
Q:畝が高いですね。約30センチのことですがなぜでしょうか
A:腰を落として収穫作業をするので、少しでも負荷を減らすためです。また、水を流して保水するためです。
3日ほどで一気に伸びるそうです。1日に15センチくらいは成長する、とのこと。
福岡県糸島市できゅうりの収穫の際もお聞きしましたが、成長→収穫、待ったなし!お手伝いの方が4~5人入って、昼頃までアスパラ専用の鎌で収穫していき、午後出荷の準備です。
収穫はギザギザの歯を持つアスパラガズ専用の鎌で行います。繊維をスパッと断たずに収穫することで、アスパラから水分が一気に逃げ出すことを防ぐためだそうです。
しゃがんで下を根元を見る高木担当。このしゃがみの姿勢を長時間とっての収穫は負担が大きいだろうと想像できました。
採れたてのものをいただきました
「銀山のアスパラは筋がないので袴も皮も剥かずに食べられる」という通りでした。
すばらしいみずみずしさ、柔らかさ。生でもいただきました。
アスパラの産地を初めて訪問しましたが、話をお聞きして、品質へのこだわりを強く感じました。アスパラは品温管理が難しく、高温になるとすぐに固くなってしまうため、早い時間に収穫した後予冷等を行い、品温を保って納品されます。生産者の工夫や苦労を知ることで、商品への愛着もわくと思いますので、組合員にはぜひいろいろな産地に足を運んでいただきたいです。農場で食べたとれたてのアスパラは最高の一品でした!
私が虹の農園さんの点検担当になってから、3年が経ちました。
私のような若輩者の意見にも真摯に耳を傾けていただき、毎年改善に取り組んでいただいていることをとても感謝しています。
引き続き、良いパートナーとなれるよう成長していきたいという思いです。
交流会の動画のように病害に苦しみ収穫量が減っている産地の状況で生産者はとても不安な日々を送っていらっしゃいます。
ぜひともご利用してくださった方は「美味しかった」等の良かったの声をいただけますと幸いです。
西塚さんお二人がおいしいものを自信をもって作られていることが伝わってくる時間となりました。「銀山アスパラ」はこれまでもカタログ掲載時購入していましたが、これからは二人を思っていただくことになりそうです。
青森県、山形県では、真摯に農業に従事される素敵な方々との出会いをいただきました。各地で生産される農産品が食卓に届くまで、今回同行いただいた帳合のみなさんとも力を合わせて良い形でお届けしたいと、改めて思います。
環境の変化にも対応くださっている生産者のみなさんを応援していきましょう!