COOP WEB LABO

青森 山形 北の産地を訪問しました①

 

 青森県 畑と装置 規模の大きさに驚く

十和田青果・十美商事 施設見学を経て

 

 

 

コープ九州 商品本部 農産商品部 田中 宏樹

事業政策支援本部 CRM推進部 上田 千歳

 


静かな午後の十美商事で左から

グリーンファームコミュニケーションズ中村潤さん、十美商事 澤田進さん、農産商品部田中

 

青森県、といえば、大好きなりんごが一番に思い浮かぶ憧れの地域。それ以外は「天は我を見放した!!」の八甲田山がそびえたつ、程度の知識しか持ち合わせない担当。

この度、福岡県から遠く離れた、青森県の市場や産地に今回農産商品部の田中バイヤーに同行して訪問、取材をさせていただく機会を得ました。これから3回にわたり、産地や市場の見学、点検の様子を報告いたします。

帳合と呼ばれる、流通にかかわる中村さんと市場の澤田さんと

 

コープ九州には「十和田青果」を経由して「ミニ大根」「にんにく」など年間を通じて納品されています。

確かに、我が家に届く「ごぼう」や「にんにく」には「青森県」が印刷されたシールが貼られています。今回は「ごぼう」の取り扱い量日本一、青森県十和田市にある十和田青果で設備を見学させていただきました。


十和田青果市場

とにかく!冷蔵庫!!

 


黄色のボックスの中は「にんにく」です

去年分がほぼ出きって、今年収穫したもので埋め尽くされる予定。

国産にんにく、といえば青森県が思い浮かぶ方も多いと思います。国産の約7割弱が青森で生産されています。

一年の一時期に収穫したものを保存して年中供給

 

昨年収穫のものだけが残っていたにんにくの冷蔵庫。

 

例年、6月20日ごろ収穫がはじまるにんにく。6月中旬から7月中旬にかけて収穫。その後乾燥機で2週間乾燥させ、その後マイナス2度で保管するそうです。

 

乾燥後冷蔵庫に保管。それが私たちの食卓に年間を通じて供給されます。

一年中収穫できるとは思っていませんでしたがひと月程度の収穫期間だったとは。訪問した頃、丁度収穫が始まっていました。

 

〈代表的な作物の収穫期間〉

ごぼう

8月上旬から12月の雪が積もるまで収穫を行う。雪の下で春を待たせ冬越しした3月から4月に収穫するものもある。収穫後冷蔵庫0度~2度で保管

 

長芋

11月2週から12月中旬まで、3月中旬から5月中旬まで収穫を行う。冷蔵庫約5度で保管

 

 


奥も、右も、左も冷蔵庫。規模感が伝わりにくいですがとにかく容積が大きく圧倒的です。


「十和田青果 」は、ごぼうの取扱量、日本一を 誇ります。

 


開けても開けても冷蔵庫 そして中身は見えません。こちらは「長芋」

積み上げられた6段のコンテナ。土のついた「長芋」が遮光ビニールに包まれていました。

あまりにも高くてドキドキしましたが、東日本大震災の震度5強の地震で落ちてくることはなかったそうです。

 

販売を担う十美商事で作業を見学

 

十和田青果に隣接する十美商事では、大根やごぼう、長芋を洗浄、カット、箱詰め、袋詰めなど作業の様子を見学しました。

 


「もう一枚はこちらに張ります」説明いただきました

作業場のそばに、ローラー掛けがセットされていました。お申し出を受けての改善だそうです。

 


大きなコンテナの中身、長芋です。洗浄する機械に投入されます。

 

 

シャワーで洗浄。あまり目にすることがない、長いままの長芋。この後カットして真空パックにされていました。

 

大根洗浄の様子。根。葉をカットし、洗って並べていく作業も重労働です。

きれいに箱詰めするのは人の手です。3人の後ろに見えるのは700ケースを超える大根です。

大量の葉や根、ごぼうや大根の”残さ“について質問したところ、バイオマス燃料の会社に買い取ってもらっているとのことでした。

 

十美商事は継続就労支援事業所で約20名ほどの障がいのある方が作業している。できることをしてもらうよう努めているそうです。

 

 

にんにくの小分け作業場も見学しました。

バラにされたにんにくを手にとる田中バイヤー。あれほどの倉庫の大きさに格納された「長芋」や「ごぼう」を見た後ではごく少量に見えてしまいます。

 

 

産地の状況について伺いました

●農地を手放す人が増えている。農事法人が休耕畑を買ったり、借りながら農業をおこなう人もいるが、1軒あたりの農地が広くて追いつかない

●昨年は雨が少なく、作況は今一つだった。今年は今のところ、雨も時々降り、順調。

●装置産業といわれるほど冷蔵庫や乾燥施設が重要

 

 

おまけ 八食センターにて

生まれも育ちも玄界灘、の私には珍しい海産物であふれる市場でした。「ほや」や「ほたて」の大きさに驚き、見たこともない魚たちに立ち止まらずに歩くのが難しいほど。

 

農産品では「にんにく」が1キロ単位や「生」で売られるなど珍しい光景を目にしました。どんな風にたべるんですか?と市場で質問したところ

「ふつうに」

という回答が。当たり前にくらしの中にある方の特別ではない答えです。

炒め物に入れるなどして大量消費されるようです。

初青森で見聞きしたこと


農作業の期間について質問すると、おおむね「12月中旬まで」というお答えをいただきます。それは雪が積もるまでがすべての暮らしにおいて線引きになっていることの証です。

厳しい長い冬を過ごす地で、年中供給することができる設備あってこそ、農家の暮らしが成り立つ、ということを知る機会となりました。設備もなく、農作業のない昔の冬季は、出稼ぎに出ていたお話も伺いました。

 

今、九州の私たちの食卓に届けられている青森県の農産品は、美しい土地で丹精込めてそだててくださっている生産者、そして巨大冷蔵庫や、コールドチェーンを切らさずに九州まで届けてくださる物流のみなさんに支えられているんだ、ということを改めて感じる時間となりました。

 

続いて「山丙」へ。白ネギ生産を訪ねます。

 

 

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