コープ職員ルポ
ビタミンB群、鉄、動物性タンパク質などに富む牛肉。最近では、食べごたえはありながら、脂肪分の少ない赤身肉が注目されています。今回訪れたニュージーランドの牛肉は、まさに赤身が強くでクセの少ないすっきりした味わいが特徴の一つです。そんなニュージーランドの牛肉とラム肉の生産工程や輸出状況を目で確かめ、現地スタッフとの交流を深めるために、生産地を訪ねました。
コープ九州がニュージーランドビーフとラムの取り扱いを始めたのは約9年前。その当時から取引を続けているのが、「ANZCO FOODS(アンズコフーズ)」です。最初に訪れたファイブスタービーフ農場ももちろん、アンズコフーズの自社農場です。牛、ラム、マトンの屠(と)畜・解体を行うこちらの工場には、ファイブスタービーフで肥育した牛も運ばれてきます。
ニュージーランド国内に6つの工場を所有することで、年間を通して安定的な生産が実現しているアンズコフーズ。視察では必ずこのカンタベリー工場にも立ち寄り、製造過程を見学し、品質の状態や輸出状況などを確認しています。
工場が位置するカンタベリー平野は、国内でもっとも乳牛や穀物、家畜を含む様々な農業が盛んな地域です。広大な川や地下水を灌漑用水として、牛・ラム飼育に必要な飲水やグラス(牧草)、穀物の生産に有効活用されています。干ばつの影響も少ないようです。
最新機器が導入された工場では、作業効率の改善と品質管理が徹底されています。こうした取り組みからも、安定した品質の理由がわかります。工場では、「HACCP(ハサップ)」という衛生管理の手法によって、安全な製品を得ることを目的とした“重要管理点”を定めています。このシステムを土台に、トレース管理(牛は個体単位、ラムは農場単位)を行うのです。さらに、自社検査室も工場内に設置されており、こうした体制にからも商品の信頼性が高まります。
コープ九州でも取扱いのあるオーシャンビーフとラム肉。屠畜から解体、パッキングまで一貫製造する工場では、衛生管理はもちろん、鮮度を保つための温度管理、加工の所用時間なども細かなチェック体制が施されています。