コープ九州 供給企画部 企画編集課 田村一勝
前回の福島担当から引き続き、田村が高千穂「杉本商店」と椎茸産地の見学をレポ
ートします。
ホダ場を尋ねました
杉本商店に椎茸を持ち込んでいる生産者は約630 軒。この日伺ったのはそのうちの一つで
標高約700 メートルの場所で栽培されている生産者甲斐さんの圃場
です。訪問前日に約150 キロの乾しいたけを持ち込まれた生産者です。(ちなみに乾燥
すると重量は約10 分の1になるため、収穫時の重量は1.5トンになります。大変な量ですね)。
風通しの良いハウスは3 棟あり普段は基本一人で作業をされているそうです。収穫時期が
終わりに近づいているため、そこまで多くはありませんでしたが、原木からしっかりと
大きな椎茸が生えていました。
収穫をされる甲斐さん
杉本商店は、生産者にはクヌギの原木を推奨しています。他の原木とは味が違うとのこ
と。一つの原木で約6 年育て、役目を終えたら土に還します。春と秋に二度のシーズン
を迎えます。
良い椎茸が育つには、寒暖の温度差が必要だそうです。春先の温度差が、より立派なしい
たけを育むそうです。秋の寒暖の温度差は平均の温度が高く、椎茸の成長が早いため軸
が長くなるというお話を伺いました。
椎茸の加工・栽培の施設も見学しました
椎茸栽培の多くは高齢者ということで、次世代の担い手として、現在、杉本商店は作業所
とのがお付き合いを行っています。今回訪問した施設では、工程の中で作業負担の大きい
「コマ打ち作業」と椎茸の「軸取り作業」を担っていただいています。
お付き合いのある作業所のひとつ、障がい者就労支援B 型事業所「フラワーパークのぞみ
工房」では、この日、天気が悪かったためコマ打ち作業は行っておらず、軸取り作業を見
学しました。利用者の方10 名ほどで軸取り作業を行っており、出来上がりは写真のとお
り、丁寧に作業されていました。(フラワーパークのぞみ工房については パート3の記
事をご覧ください。くわしくお伝えします)
画作業後の椎茸は「軸無し椎茸」で製品化されるのはもちろん、不良のものや軸自体もcoopの和風ドレッシングの原料になったり、だしメーカーに出荷したりと無駄なく活用されています。
ホダ場にも伺いました。こちらは露地栽培で収穫時期が終わりに近づいていたため数は少
なかったのですが、最盛期にはたくさんの椎茸が生えている様子を教えていただきまし
た。
感想
今回の取材で杉本商店がエシカル消費のポイントである「人」「環境」「地域」に配慮した商品を作っていることが実感できました。椎茸栽培の産地を守るための施策が結果として近隣地域への貢献(作業委託)や森林環境保護(椎茸栽培による森林再生)につながっており、そのあたりは生協でも生産者や産地を守る「産直」活動や組合員のくらし向上に取り組んでることも自然に「エシカル消費」に通じているものもあるのではと感じました。
よって、「エシカル消費」を変に構えることなく、身近にある行動より実践していこうと思います。
わたしのおすすめの食べ方は「筑前煮」です!