生協が重ねてきた歴史は、組合員が安心して豊かに暮らせるよう様々な想いを形にした歴史でもあり、その声を形にするため伴走し、実践を続けた職員たちの歴史でもあります。
積み上げた取り組みと職員の想いを紹介します。
久門智弘 来歴
1988年エフコープに入協。宗像支所に着任後、若木台・日の里・福間エリアなど担当、配達業務を行う。
主任業務を経て2002年エフコープの商品部(当時のくらし企画部)へ異動。2005年コープ九州に出向しカタログ編集室(当時)にてカタログ協同化と「よかったね要望企画」のエフコープ→九州統一企画業務を行う。2013年に事業企画部にてWeb企画とeフレンズ推進を行う。(2016年には離島エリアのeフレンズ推進のため、八重山諸島6島を約4日間で駆け回る)、2020年からはギフト媒体を担当し商品調達・企画・カタログ制作に携わっています。
はじまりはクリスマスケーキでした
生協の柱はやっぱり「人と商品」が大切だよねと思っていたため、支所にいた時から商品にかかわる仕事がしたいと考えていました。
それを決定的にした出来事が、2001年クリスマスケーキ配達後※1に戻ってきたメッセージカードです。
若松支所のときクリスマスケーキを注文していただいた組合員さんにメッセージカードを配付したのですが、アレルギーがあるお子さんをお持ちの組合員さんから、「今回新登場のアイスのクリスマスケーキを利用しました。娘はアレルギーがあるためお誕生日やクリスマスにケーキが食卓に上ることはありませんでしたが、今年はアレルギーのある娘でも食べられるケーキが企画されていたので購入しました。今年のクリスマスにはケーキが初めて食卓に上り、娘もとっても嬉しそうでした。エフコープさんありがとう」といった内容のメッセージが戻ってきました。

※1クリスマスケーキ配達…エフコープはクリスマスの日にケーキやクリスマスメニューだけをお届けするクリスマス一斉配達を行っていました。
はじめて意識した「商品調達」
私は「ハッ」とさせられました。私や私の家族には特に食物アレルギーはなく、ケーキが食べられないちびっこがいるという概念すらありませんでした。このメッセージを見て、よかったねと思うこと以上に「アイスではなく、スポンジとクリームのケーキを届けてあげることはできないのだろうか」と考えました。この出来事から「商品調達」というWordが自分の頭の中に強く広がりだしたきっかけでした。
その翌年の2002年にエフコープの商品部(当時のくらし企画部)に異動となりました。
当時のエフコープは「くらしづくり」という方針が掲げられ無店舗事業※2を進めていました。
『商品を真ん中に、組合員や家族のくらしの背景にあるコト情報を顕在化し、共有していくことでくらしが豊かになる。そしてそのコト情報を多くの人につないでいく中で共感が生まれ、「へぇ~それなら買ってみよう」とか「家族やお友達にもおすすめしてみよう」等の行動がうまれ、結果として事業にも貢献していく』という指針でした。
当時、くらしづくり方針を実践することで効果(結果)はボクシングのボディブローのようにじわじわと効いてくるだろうねとか言ってました。

※2無店舗事業…店舗を持たずにカタログで注文して組合員の元に届ける配達事業のこと
当時エフコープでは「よかったね! 要望企画」という別チラシ企画がありました。
組合員さんから企画要望は常に寄せられますが、その多くは「美味しかったから」「また食べたいから」といった理由からでした。その理由をもう少し深堀りしてみようとヒアリングしていく中で、「今まで魚を食べたがらない子どもがこの魚をこんな風に調理してあげると“これ美味しい! これなら食べられる”と喜んで食べるようになったんよね」とか「高齢で食が細くなった母が、これなら喉に詰まらせたりする心配もなく食べられるのよね」等のコト情報が顕在化していきました。そのコト情報をおすすめコメントとして商品と一緒に掲載したチラシでした。

組合員の生の声を元に
チラシの企画・制作の場に組合員さんに一番近くで接している支所の職員も制作メンバーに加えたいということで当時支所の職員だった私もメンバーでしたが、そのことも「商品調達・企画」に興味を持ち出したきっかけの大きな理由でした。
エフコープの商品部に異動した私はその時からの経緯もあり、「よかったね要望企画」の商品担当となりました。
最初に「よかったね要望企画」に携われたことは後々の仕事にとって、とてもラッキーだったと今でも思っています。
極端な言い方をすると、「たった一人の組合員さんの要望も受け止め、メーカーや産地に調達に出向く」という仕事スタイルが確立していきました。
事務所の商談室で取引先の方々が持ち寄ってくる商品や「〇〇生協で1万点売れた商品です」といったような切り口の商品だけを品定めするのではなく、組合員の生の要望を基に調達・企画に走り回ることは大変ではありましたが、商品担当になりたての私には楽しい仕事でした。
組合員の生の声(よかったの声)は時には難しい商談も実現させてくれます。
毎週金曜日、いつも楽しみに拝読させて頂いています。
久門さんが登場されていて、懐かしく拝読させて頂きました。
お元気そうで嬉しかったです。
また、毎回の内容に、つなぐ、つながる事の大切さを実感
かつ共感しながら、拝読させて頂いています。
取材から編集含め、色々と大変だと思いますが、今を楽しみながら、元気に明るく、お願い致します。
高倉さん
久門さんの記事へのコメントありがとうございます。今回一部使用した、当時の制作物は高倉さんのインタビューが掲載されたものでした。関わった皆さんが懐かしくお読みいただけることも嬉しいことです。生協が積み重ねてきた時間をいろいろな方と分かち合えたら、と思っています。これからも元気に、明るく、参ります!ありがとうございます。
わぁ~ 高倉さん!
ご無沙汰していますが、お元気でしょうか。
当時の「くらし会議」とっても楽しみでした。
今日は高倉さんが何の話を披露してくれるのだろうかと・・・。
「東京ディズニーランドのレストラン店員さんの接遇」
「若い警察官が夜の山道をフェリー乗り場まで先導された話」
「お坊さんの説法」などなど。
今でも心に残っています。