水産産直を目指して コープさが生協・コープ九州産地交流会に参加しました

日本遠洋旋網漁業協同組合(エンマキ)に行ってきました

 

2023年 11月8日(火)コープさが生協の組合員理事の皆さんが参加する企画「日本遠洋旋網漁業協同組合・コープさが生協・コープ九州産地交流会」に参加しました。

 

交流会当日

交流会の前々日まで、強風や海のうねりがあり、エンマキの職員の方からも「あした市場に魚があがるだろうか…」という声を聞いていました。

心配になり当日朝早く海を見に行くと、天気も良く無風で波も穏やかな海が広がっていました。



松浦の海の朝の風景 位置的に、遠くに見える白い建物が松浦魚市場?

水産加工場で事前学習

コープさが生協の組合員理事をお迎えし、松浦第一工場の会議室で学習会からスタートしました。


ご対応頂いたエンマキの皆さん


コープさが生協の組合員理事の皆さん

 

 

持続可能な水産業への取り組み

初めに、加藤代表理事組合長より、エンマキの概要と取り組み、施設の紹介をされました。

日本遠(エン)洋旋(マキ)網漁業協同組合(エンマキ)は、昭和35年に設立、複数の船団が協力し、魚群を見つけて大きな網でまき獲る漁法で、アジ・サバ・イワシ・ブリを獲っています。

組合に所属している船団は、東シナ海、五島西沖、対馬沖、西部日本海で操業し、北部太平洋海区の許可を有する船団は9月~11月ごろに三陸、道東沖に出漁する場合もあります。


エンマキの施設は長崎県だけではなく、佐賀県唐津市に工場が2つ、福岡にも本部と工場が1つあります。

 

この他、2021年より稼働した新たな松浦魚市場の紹介、現在取り扱っている商品の紹介、古くなった旋網をリサイクルしていること、MEL認証(マリン・エコラベル。ジャパン漁業認証)を受け、CoC認証を現在申請していることなど、持続可能な漁業を目指していることを詳しくお話ししていただきました。


現在取得しているマリン・エコラベル・ジャパン認証

*MEL認証とは

日本初の水産エコラベル認証制度。水産資源の持続性と環境に配慮している事業者を第三者が審査し認証しています。

 *CoC認証とは

製品の製造・加工・流通のすべての過程において、認証水産物が適切に管理され、非認証原料の混入 やラベルの偽装がないことを認証しています。

 

松浦魚市場と、生協冷凍工場の見学

 次は「松浦魚市場とエンマキの製氷工場」と、「水産加工場」の2手に別れて見学を行いました。

魚市場に入る前には、手洗いやエアーシャワー(服に付いたほこりを取る機械)を通り、衛生管理は徹底しています。

 一定の温度に保たれた通路を通り魚市場の荷捌(にさば)き所へ、2階に上がり全景を見ると規模の大きさがわかります。あいにく選別の作業は終わっていましたが、船が着く桟橋が隣接しており、獲れた魚は鮮度を保ったまま直接搬入口から選別ラインに入ってくることが分かりました。

 


選別された魚は、ダンボール等でパッケージされ、同じ建物内の約マイナス35℃の凍結庫で16時間~17時間で急速冷凍されたあと、マイナス30℃の冷凍の保管庫で保管されて他の市場などにも運ばれます。魚市場と冷凍施設が同じ施設内にあるのは日本初との事でした。

 見学する中で、「セリはどこで行っているのだろう?」と疑問がありましたが、仲買人(セリで買い付けを行う人)は選別された魚を見て、別に設けられた部屋でセリを行っているということでした。エンマキの仲買人も他と同様にここで買い付けを行っています。


次に隣接するエンマキの製氷冷凍工場へ、製氷された氷は貯氷庫でマイナス5℃~マイナス10℃で保管されます。貯氷庫内の壁のように積み上げられた氷は圧巻でした。この工場の氷を作る生産能力は1日150t、氷を貯蔵する能力も2,500tで、日本で一番の工場との事でした。

 建物の外に回り、漁船がつく桟橋に行くと、ちょうど製氷された氷をコンベアで船に入れているところでした。全てが鮮度を保ち、とても効率のよい施設となっていることがよく分かりました。


エンマキ 製氷冷凍工場の外観


貯氷庫の積み上げられた氷 ブルーの色合いがきれいです

 


ベルトコンベアで建物内から直接船に氷が運ばれます

 

水産加工場の見学

次に松浦魚市場からエンマキの水産加工場へ移動しましたが、車で約3分という近さにあります。

 敷地内には直売所も有り、毎週土曜日に開店しており、購入する方でにぎわっているとのことです。


水産加工場


敷地内にある直売所

水産加工場への入室の際は、手洗い、長靴の消毒、ローラー、エアーシャワーと衛生管理が徹底されています。訪問した際には、ちょうどアジの漬け丼の具の製造をしているところでした。

魚の大きさが大きい場合はスライサーを通し、柵にして処理していますが、今日のアジは小さいので一次加工後、全て手作業で3枚におろし腹骨やヒレを取り、細かい作業を行っていました。「人手を確保していく事が大切です。」と工場長がおっしゃっていたことが実感できました。

商品紹介と試食

昼食時間では、エンマキの商品紹介と試食を行ないました。試食した商品は、「アジの聖地松浦のあじフライ」「旬(とき)しめさば」「旬(とき)塩さば」「長崎県松浦発 胡麻さば」「長崎県松浦発 真あじの醤油漬け」「長崎県松浦発 天然ぶり丼」の6品です。どれもとても美味しかったのですが、特に生の状態で加工した1フローズン(1回のみの冷凍)商品のあじフライは、「中身がふわっとしていて柔らかくておいしい。」の声があがっていました。


 


 

水産産直に向けた今回の交流、取り組みについて

 

 次にコープ九州水産・畜産商品部の松尾より、現在コープ九州と会員生協、エンマキと目指している水産産直についての説明です。世界の水産資源の問題、品質保証システムの確立、組合員参加による商品づくり・事業のしくみづくり、生産者・生産者団体との自立・対等を基礎としたパートナーシップ、持続可能な水産業に向けた取り組みなどについて話しました。

 




 

組合員さんの意見・感想

参加の組合員理事からは、多くの質問と合せて、「商品を加工している工場の規模の大きさにビックリした。」「水揚げから加工までが一つのラインになっていて、鮮度へのこだわりを感じた。」「旬あじ・旬さばのカタログ掲載を期待しています。」「水産初の産直商品ということで産直商品として初めてカタログでの取扱いがスタートする時は、表紙で大きく載せて欲しい。」などの感想をいただきました。

最後にコープさが生協の松本会長理事より、「今後も現場を見ていただいて学習し、理解を深めていくこを継続して行いたいです。」と、お礼を含めたご挨拶で、産地交流を終了しました。


交流会に参加して

 今回コープさが生協の企画に参加させていただき、感謝しています。交流会に参加する中で対応していただいたエンマキの皆様からは、良い商品を製造し供給しているという自信と熱意を感じることができました。また、エンマキの徹底した鮮度維持のための設備、持続可能な漁業に対する意識やしくみなど、今後水産産直を目指していく中で、会員生協の組合員と職員との交流や学習を通しての相互理解を更に進めていくことが大切だと思いました。

エンマキの皆様、ありがとうございました。

 

後日…のおはなし

どうしても心残りがあり、休みの日にふたたび松浦へ。

交流会の日に寄れなかった道の駅「海のふるさと館」へ。中に入ると、聞いていた通りエンマキの商品がコーナー化されて様々な種類の商品が並んでいました。そこであじフライと胡麻さばを購入し、松浦のきれいな海の景色も眺めながら満足して帰りました。

 


海沿いにある道の駅「海のふるさと館」

道の駅の前にあったモニュメント、さすがアジフライの聖地です。

松浦鉄道のつり革も樹脂製のアジフライが付いているとか。

いつか乗ってみたいです。

 

PROFILE
柳 秀典  

コープ九州 事業政策支援本部 商品政策支援課 

 

生まれも育ちも鹿児島です。好きなコープ商品は「かに風味かまぼこ」水産商品全般。趣味はバッティングセンター通い、釣り(松浦市方面の釣り場ではお世話になっています)と、Nゲージです!

 

 

 

 

 

 

 

 

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