コープ九州 上田千歳
福岡県糟屋郡に「エフコープかすや店」がオープンしました。
お店に商品が並ぶまで、商品がどのような経路をたどって、店舗の棚に並ぶのでしょうか。コープ九州の物流拠点である「鳥栖流通センター」(常温品の取り扱い)と「鳥栖冷凍流通センター」を見学させていただき理解を深めたいと思ったのが、このルポに取り掛かったきっかけです。店舗物流を知ることで、実に多くの人が関わり、改善しながらも未来に向けて変革を迫られている分野だと知りました。
2回にわたり、ドライ(常温品)商品と冷凍商品の物流について報告します。
鳥栖の流通センターを経由していく商品は「常温品」と「冷凍品」で別の倉庫を経てやってきます。
「コープ商品<PB商品(コープ商品)>」と「一般商品<NB商品(ナショナルブランド)>」で納品の経路は異なりますが、店舗ごとに振り分け、送り出すまで鳥栖のセンターで行います。
コープ商品は、九州の8つの生協の商品が一堂に集まり、自動倉庫に収められます。
巨大な自動倉庫の外観です。
以下自動倉庫から出てくる商品の流れを追ってみましょう。
倉庫の出口、ここで行き先別にシールを張ります。
110㎝×110㎝のパレットの上に積まれた商品の山の数は6,688。高さは100㎝と150㎝の2種類です。
棚の数が6,688だと思ってください。大きな倉庫から商品の山が出てきます。8台のクレーンがあり商品が出てきます。商品がどのくらい倉庫に収まっているか、現在の稼働率を見ながら作業を行います。
画像で見ることができるのは「C一番搾りキャノーラ油」です。倉庫から出てきたケースの商品に、担当の方が送り先の店舗のシールを張っていきます。この油はララコープ新戸町店に向かうようです。
ラインに乗って仕分けゾーンに流れていきます。
人の手で、添付されたシールをもとにカゴ車に移しかえていきます。
生協コープかごしま加世田店へ向かう商品です。
一方、ケースで納品しない商品は「ピース」という単位で1商品ずつ集めて店舗に送るためにセットしていきます。
食品、家庭用品のコープ商品が集まった場所です。店舗ごとに青い折り畳みコンテナに商品を集めていきます。ここではいかに間違いなく、集品していくかが大切です。
九州のTCはピース仕分け作業を競う大会で誤集品無しで、過去2年連続全国優勝を果たしているそうです。
集まった商品は、キャリーと言われる4輪の台車に積まれていきます。
そのまま売り場に楽に持ち込めるキャリーは商品を出す際に積みなおす、という負荷をなくすために考えらました。重たいものを下段に、軽い商品を上段に積みます。生協コープかごしま吉野店に向かいます。
トラックに積まれる前に、店舗ごとに仕分けられて納品された一般品と店舗ごとに集品を行ったコープ商品を人が混載し、なるだけ効率よく配達できるような姿に整えます。
トラックに積み込まれる前の商品たち。
九州の各店舗に発送されますが、その中で遠方の生協から集品をはじめ、出発していきます。
この日出会ったかごしま行きのドライバーさんに伺ったところ、鳥栖からかごしまのセンターまでは5時間から5時間半かかる、とのことでした。
台風、大雪、大雨など、天候次第で状況は変わり配達は大変です。店舗は商品を待っています。
かすや店をはじめ、九州津々浦々、生協のお店に届く商品は一度ここを通ってくるんだ!と自分の住んでいる町のコープのお店に向かう商品に熱視線を送りつつ見守りました。製造メーカーや生産者について学ぶ機会があっても、商品を届けてくれる方々の姿を想像することは少なく、食卓に上る商品に関わるみなさんに感謝の念を抱きました。機械化されているとは言え、人の手がかかっています。
近年の気候変動による気象条件の悪化が与える影響をはじめ、労働条件の見直し、働き方の改革など変革を迫られつつある分野であること、また変わる努力を絶え間なくされていることを知る機会になりました。
次回は、マイナス25度の世界。冷凍庫内の作業に迫る冷凍の物流見学、
そして担当者に質問!に続きます。