2019.09.04

054. ボルネオ島はわが家に近い②

054. ボルネオ島はわが家に近い②

アブラヤシの果肉と種子から作られるパーム油の仲間は、今、スーパーマーケットに並んでいる商品の約50%に使用されています。

でも、成分表示には「植物油脂」としか書かれていないので、思いのほかその存在は知られていません。

果肉からとれるパーム油はとても扱いやすくてクセも少ないので、カップラーメン、ポテトチップス、チョコレートなどの生産に重宝します。

そして種子からとれるパーム核油は、洗剤の界面活性剤原料をはじめとする生活用品にもたくさん使われています。

さらに安くて、供給も安定しているパーム油。誰もが使いたくなっちゃいますよね。業界の人気者になったのは当然の流れなのです。

しかーし!!
その大人気の陰に、ボルネオ島など生産地の原生林が驚くようなスピードでアブラヤシ農園に変わっていったのもまた事実。オランウータンの住処がなくなり、生息数も激減し、過去100年で90%が減少したとのデータもあります。

動物たちだけではありません。原生林に暮らしていた人々も家を追われ、その結果、貧困や強制労働、子どもたちの労働など、人間たちにもその影響が及んでいます。さらに焼畑の手法で農園開発をすると大量のCO2が放出されるなどのほか、現在はパーム油をめぐって細かな問題が入り組んでいる状態です。

でもね、ボルネオ島のみなさんは、これらの問題解決をほったらかしにはしていません。果敢に取り組んでいます。「持続可能なパーム油の出荷」の認証システム「RSPO」をつくったのもその一例で、コープも「認証油」を選択しました。欧米企業では「認証油」への切り替えが進んでいます。

また、生産性を高めて収入を安定させることで、不要な森林破壊を防ごうと、政府がライセンスを発行した良質な「苗」の普及にも取り組んでいます。そうした取り組みの必要性を、農家のみなさんに伝えることも急務です。

なーんて、どうしてもテキストが長く、複雑になっちゃいます。スマホで読むのは大変かも? でもやはりそれほど問題が複雑ということ。だから急には解決しないけれど、あきらめず、コープも発信し続けていきますよ。

みなさんも食品表示をチェックして「この植物油って、パーム油のこと?」と気にしてみたり、下記の記事に目を通してみたり、してみませんか?

昨日食べた、チョコやポテチにもふくまれていたかもしれないパーム油。私たちの暮らし、わが家にとっても近い存在ですものね!

日本の流通業で初! コープは「RSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)」に加盟しています。

インドネシア ボルネオ島 西カリマンタン州
パーム農園訪問記
持続可能なパーム油のためにできること。
#01 パーム油は世界最良のオイル。
#02 自立した認証農園を目指すために。
#03 ライセンスを受けた「苗」が鍵を握る。

 

 

 

※日に日にコープの内容は更新当時のものとなります。ご了承ください。
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