COOP WEB LABO

夏のキャベツはどう届く?嬬恋村の生産者に聞く ひと玉に込められた苦労とコスト


デジタル戦略部 三戸 健聖 

上田 千歳

 

九州の私たちが夏にキャベツを食べられるのは、当たり前のことではありません。

種や肥料、資材、燃料、物流費、そして収穫や輸送を支える人の力。キャベツひと玉には、私たちの手元に届くまでの多くの苦労とコストが詰まっています。

 

一年ぶりに嬬恋村の産直生産者 ピュアウェーブ21の前田さんを訪ね現場の今をお聞きしました。

 

キャベツひと玉に込められた人手とコスト

生産者の前田さんご夫妻と 「お元気でしたか?」の挨拶の後には「大変ですよね」と話が始まります。キャベツの生育に関してはもちろん、今年はホルムズ海峡封鎖による石油の調達の影響など、さまざまな不安要素についても話題となりました。

高騰する資材価格と生産コスト

「あれが無い、これが無い」。そんな印象的な言葉から話は始まりました。

 

特に資材の中でも昨年の約3倍の高騰を見せるのは「化学肥料」だそうです。そして出荷時に使用する段ボールをとめる「テープ」も。テープは国内製造ではなく、ナフサ供給が停止しているアジア諸国製造のため、高騰の一途をたどっているそうです。資材価格は上昇を続けています。当然物流に関わる輸送費も上昇、キャベツの輸送はもとより、種の流通が止まるなどしたら、作ることさえできなくなる未来もある、とおっしゃっていました。

 

工夫を重ねて続けるキャベツづくり

化学肥料の使用量を減らし、有機肥料の比率を高めるなどの工夫をされているという話も伺いました。

長い経験の中で、土の状況を見ながら、その時のベストで生産を行っている生産者のみなさんの努力と工夫のよって、私たちは安定してキャベツを食べることができています。

「キャベツは歩いて九州まで行けない」燃料 物流 輸送の現実

収穫後も続く、届けるための仕事

気温の上昇により、キャベツを輸送してくださる皆さんの労働環境も厳しさを増しています。「組合員の手元に届くまでが仕事だと思っています」と発言をされる前田さんですが

「夏のキャベツ以外は我々も消費者。運転して運んでくれる人の負担が過重にならないように働きかけてほしい」と生協への期待を語られました。

 

翌日早朝、すでに収穫が始まっているエリアの前田さんの圃場と石田さんの圃場に伺いました。

畑からトラックへ、途切れないリレー

朝5時から始まる収穫作業


到着した松井田のキャベツ畑。この日も早朝から収穫作業が始まっています。

ひと玉ずつ、中腰で続く手作業の収穫


この日は嬬恋村ではなく、少し収穫の早い松井田地区の圃場での収穫作業を見せていただきました。嬬恋とは気温が10℃ほど違うため、最初の出荷はこの周辺地域のものになります。

 


ザクッ ザクッ 切れ味のいい音が響きます。

ひと玉ひと玉、中腰で収穫作業を続けて行きます。


このトラクターは後方で段ボールを組み立てています。価格高騰した、とお聞きしたテープがここで段ボールの底に貼られていました。組み立てられた段ボールが収穫されたキャベツの間に並びます。画像は石田さんの圃場です。


箱づめ。この箱にぴったり収まるLサイズに畑のキャベツが揃っているのが当たり前ですが、すごい!

苗をどのように育てるかで、定植してからの収穫日が異なるそうですが、前田さんは定植後65日程度、同じく石田さんは75日程度で収穫できる、とのこと。カタログの企画週に合わせて届けられるのは計画的な生産が行われているからです。


キャベツが入った段ボールをつぎつぎトラクターに積んでいきます


バックしながらゆっくり進んでくる車両に段ボールを積み込み、その後、畑のわきに止められたトラックに向かいます。

畑からトラックへ、途切れないリレー

 


キャベツの入った段ボールを積み替えていきます。1時間も経たないうちに満載に近づきます。

 

積み込みをする運転手のお二人に「どの瞬間が一番大変ですか?」と質問したら「全部よ!(笑)」とかわされました。質問が良くなかった…


 

積み上げられた段ボールは1,000ケース、約8,000玉!2台満載にして目的地に向け出発しました。

 

 

 

キャベツ生産者を訪ねて 三戸担当の感想

私はこの4月に入協して、この度初めて産地を訪問させていただきました。

普段から何気なく食べている野菜の背景には、生産者の方々のたゆまぬ努力と熱い思いが秘められており、今回は生産者の方々から直接お話を聞くことができました。

世界情勢や気候変動による様々な不安要素が存在するなかで、変わらず「安全」で「おいしい」キャベツを届けていただいています。

また、非常に便利な世の中になってきてはいるものの、農業の現場では、まだまだたくさんの方々の手作業によって支えられており、そして物流を担ってくれている方々によって遠方でもいただくことができます。私たちの食卓に当たり前のように並ぶ農産物は、多くの方々の支えによって成り立っていることを実感し、改めて感謝していただきたいと思いました。


左から)三戸担当、ピュアウェーブ21代表 前田康則さん、農産課田中担当

夏のキャベツを支える生産者を応援するということ

 

キャベツひと玉の価格には生産に必要な資材、人手にかかる費用が含まれていることをお伝えしました。その背景を知る、という事から応援は始まっていると思います。

 

20代の生産者も頑張っています。


生産者の石田晃大さんとコープ九州農産課田中担当

晃大さんも寄せてれる「産地だより」はこちら

 

ピュアウェーブ21/きゃべつ畑から

 

嬬恋村から届くキャベツは9月末まで企画が続きます。ぜひ、一面に広がるキャベツを畑を思い浮かべながら、食卓に登場させてください。

 

 

ピュアウェーブ21のみなさん。キャベツ、九州で待っています!

 

おまけの横道【熊トーク】

ピュアウェーブ21のみなさん、熊を見たことが無い方がいらっしゃらない!ということに驚きました。

嬬恋村周辺にいるのはツキノワグマ。基本的に熊も人を恐れているため、見晴らしのよいキャベツ畑で出会うことが無いとのことですが、熊はキャベツの外葉を食べるそうで、結球した玉の部分を押さえて食べるため、玉に爪の後が残っていることから「食べられた」ことが分かるそうです。

 

キャベツの玉に爪痕!?


ちなみに、こちらは完璧に美しい姿のキャベツ。みずみずしさにうっとり♡

 

 

ただし、熊は元来臆病な生き物とのこと。見晴らしのよいキャベツ畑で出会う事はほぼないそうです。

ただし、熊が大好きなトウモロコシ畑では、背丈より高く茂っているため、人も熊も気が付かないまま出会い頭で遭遇する機会があるとのこと。熊はトウモロコシが大好きで両手に抱えている姿を見ることもあるそうです。

「どうぞ、お気をつけて!」と願うばかりです。

 

この記事はいかがでしたか?ご感想・コメントをお願いします。
※こちらはご覧いただきました記事に関するご感想をお聞かせいただくことを目的としております。商品等個別のお問い合わせにつきましては、正確に調査・回答させていただくために、こちらのフォームをご利用ください。