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その2 寺本果実園内定者研修 寺本さんに教えていただいたこと

コープ九州 上田 千歳

 

はじめに もっとお伝えしたい 寺本さんと寺本果実園のこと

 

2023年10月2日

生協くまもとの内定者研修が熊本県西区河内町の「寺本果実園」で行われました。

この日、生産者の寺本さんに生協と果実園の歴史や、寺本果実園の歩み、河内地区の土地についてなど、様々な興味深いお話をお聞きすることができました。

その1では、内定者研修がどのように行われたか、寺本さんとの交流を交えて紹介しましたが、そこで紹介できなかった内容をこちら、その2で寺本さんに質問、の形でお届けしたいと思います。

 


みかんいろの床 みかん色のケースに座って 寺本さんの髪もみかん色でした

 

生協より:生協とのお付き合いも長い寺本さんです

寺本さんより:組合員さんの紹介で、生協とのお付き合いが始まりました。

父の代です。熊本の生協が始まりで全国の生協とのつながりが広がっています。自分が10代の頃は「みかん農家は継がない。もっと派手に生きる」と思っていたのですが、生協の方と父親の濃い付き合いを見ていて、生協は、一般的な農協に納めるというのとは違った「自分の作ったものへの反響が届く」ところと感じていました。食べてうまいか、まずいかダイレクトに伝わってくるところにいつの間にか…10代の頃は思ってもみなかったのですが、みかんを作っていました。

生協:大切にしていることはなんでしょうか

寺本さん:3つあります。「うまい」「安全安心」「適正価格」このバランスを重視しています。(詳しくはその1ルポをご覧ください )

生協:減農薬、除草剤を使わないなど、大変な努力をされている寺本さん。つらいことがあったらお聞かせください

寺本さん:つらいことばかりです(笑)みかんは年に1度しか実りません。樹齢70年の木がありますが70回しか収穫していません。また、自然には叶わないです。台風がもうすぐ収穫、というタイミングで来るとリカバリーできません。自然相手でおまけに露地もの。ある程度は防げることはあっても異常気象などでリスクが高いです。安心して眠れません。

 

しかし実がなって半年、地味に実ってきたものは味があります。上等な肥料を与えると良いものが育つ、という訳でもないんです。

いろいろ試します。年に一度しか挑戦する機会はないし、失敗できないんですが…。失敗は次のチャンスにつながります。聞く側にも力が入ります。情熱が伝わってくるのです

生協:今日は内定者やベテラン職員が混ざっています。職員になにかアドバイスいただけますか?

 

寺本さん:生協さんに何か言うなんて…(笑)若い方へ、というのであれば、息子世代に。(寺本さんは大学生の息子さんがいらっしゃいます)

生産者の多くは熱い!です。その熱さを商品に乗っけていますので心意気をもって一緒に熱くなって楽しんでいただけたら。冷めた目で見るより、飛び込んでいくことで、面白いことが倍になって広がっていくと思います。


圃場に移動して

生協:虫の被害などあるのでしょうか

寺本さん:虫より菌やダニです。ダニは一気に広がるんです。みかん畑が全滅、という年もありました。そこで圃場を30か所に分散しています。

 

生協:糖度について教えてください

寺本さん:甘ければ甘いほど良い、という訳でもなく、酸味と甘みのバランスが重要です。糖度が低いと3級、2級と同じです。3級はジュースなど加工品になります。日本の市場は見栄えが大事なので、味はともかく、すこしの傷も2級になります。減農薬で除草剤不使用のうちのみかんは4割B級になります。

生協:寺本さんは様々な柑橘を生産されていますが、適した圃場はあるのでしょうか

寺本さん:あります。そして耕作放棄地など、売り地などを訪ねた場合はその場に立つと何が向いているか分かります。

昔は標高100メートルくらいが良い、と言われていましたが、温暖化などで今は200メートルくらいでもいいです。適した土地ではちゃんと自然が勝手においしくしてくれます。素直に人間は手伝うのみです。

 

生協:畑の周りに電柵が張り巡らされていますが、獣害がありますか?

寺本さん:イノシシの被害に悩まされています。大きなものでは100㎏級のイノシシが群れでやってきてみかんを食い散らし、土を掘り起こしていきます。地域全体の問題として対応できるように15年前にハンターになりました。罠を仕掛ける資格は地域のみなさんに取得をうながす立場にあります。多少なら共存したいですが度を越えています。殺生はしたくないんですが仕方ないです。

 

生協:先ほど樹齢70歳の木があると伺いました。おいしい樹齢がありますか?

木になっている場所で美味しいところはありますか?

 

寺本さん:10歳の木はまだ青い、ノリノリの20歳の木は味がのっています、30代も甘さがのります。40歳の木は実がしっとりします。それぞれ違いますよ。

最後は枯れていきます。人間と同じですかね。

木に実る場所で食味も違います。日が当たった方が美味しいですが、今の暑さなどは実が焼けてしまうので厳しいです。目の高さにある外になっているものが美味しいです。

 

生協:寺本さんからいただいた果実園の紹介リーフレットには「環境保全型農業者の賞を受賞」とありますね。「耕作放棄地発生防止・解消活動」でも表彰されています。

 

寺本さん:減農薬などの取り組みが評価されています。そのこともですが、長くしょうがいがある方々と働いている、ということをお知らせしたいです。農福連携しています。

私が生まれた時から働いているおじちゃん(ここで和世さんに質問 「何歳になったっけ? ああ!」)73歳でも働いてもらっていますよ。大変な労働ですが元気です。汗をかいた方が人間的にもいいのでは?と思っています。

生協注:おひとりではなく寺本果実園にはしょうがいのある方が複数働かれています。

 


 

生協:夜眠るのにも不安が、と先ほど言われていた寺本さん、長くみかんを作り続けていただくために私たちができることは何でしょう

 

寺本さん:ここは、春・夏・秋・冬 表情が違います。ぜひ遊びに来てほしいです。人間のつながりを期待しています。

 

 

 

コープ九州農産バイヤー野村より

九州管内の産直温州みかん産地でも、グンを抜いてレベルの高い産地が寺本果実園です。計り知れないレベルの高さです。酸いも甘いも知っている、生産者のおひとりです。

寺本さんの作られるみかんは、主に生協くまもとにて取り扱いをしています。【レモン、ポンカン、ネーブル、八朔、甘夏、温州ミカン「極早生」「早生」「金峰」「青島」「今村」】

 

【参考】生協くまもと 2023年度 企画予定 

・ネーブル:1月下旬から2月上旬
・ポンカン:1月中旬から2月下旬
・国産レモン:1月中旬から1月上旬
・温州みかん(極早生・早生・金峰・今村・青島):1月
・河内晩柑:4月下旬から5月上旬
・甘夏:4月
・八朔:2月下旬から3月下旬

 

おわりに

降り注ぐ光のもと、丁寧に生協職員に話をしてくださる寺本さんのお人柄に触れ、もともとみかんの味わいのファンだった職員も、ますます「寺本果実園」が大切な存在になりました。寺本さん、貴重な機会をありがとうございました。

 

生協は、各地でお付き合いの深いみかんの産地と連携して組合員にお届けしています。秋冬にかけて温州みかんが美味しい季節です。

夏の日照りや大雨、風と戦いながら美味しい作物を届けてくれる生産者のみなさんに感謝を込めて、どうぞ、たくさん果物やお野菜を召しあがってください。

 

 

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皆様から寄せられたコメント

  1. 何気なく おいしいね と食べている果物ですが
    こんなにも努力して育てていただいている事に感激です。
    イノシシヤダニとも戦っているなんて初めて知りました。
    心配で眠れないなんて・・・
    愛があってこその実りです。
    これからもよろしくお願い致します。

    1. コープの保険ちゃんさん
      コメントありがとうございます。
      寺本さんの情熱や愛情が籠っているみかんです。

      おいしいね!といただくことが一番だと思います。

      これからも美味しいみかんをお届けいただけるよう
      皆さんの声を寺本さんにお届けしますね。
      ありがとうございました。

  2. 人と人とのつながりが生協の産直なのですね。
    今年も寺本さんのおいしいミカンを合志店で購入します。楽しみです。

    1. 産直のみかんはおいしいさん
      コメントありがとうございます。
      ぜひ、たくさん召しあがってください。