デジタル戦略部 上田 千歳

※無添加とは:香料・着色料・酸化防止剤・合成界面活性剤等不使用のこと ※こちらのは過去の参考紙面です
コープのカタログ「ぱれっと」で取り扱っている無添加石けん『シャボン玉浴用』。
北九州市で無添加石けんを製造し続けるシャボン玉石けんの製造工程を見学してきました。
この日見学のため訪問したのは

コープ九州、家庭用品部阿部担当とデジタル戦略部の三戸、上田の3名です。
工場長の藤島聡さんにお話を伺いました。
「1910年に創業して以来、合成洗剤を主力とした時期もありました。1971年に国鉄門司鉄道管理局から「機関車を洗うための無添加の粉石けんが欲しい」という要望に応えて粉状の石けんの開発を開始。当時の社長森田光德さんが自身の身体に現れた肌の不調が石けんを使用することでキレイになったことを元に、「健康な体ときれいな水を守る。」を理念に「人と環境にやさしい無添加石けんの販売と製造に切り替えました。」
17年もの赤字が続く時代を経ても、人と環境にやさしい商品づくりへの思いを貫き続けました。その後、世の中の環境意識の高まりや、社長自らが石けんに関する書籍を出版するなどの活動を通じて、その価値が広く認知されるようになりました。
「石けん」と「合成洗剤」
”モノや肌を洗う洗浄剤”という意味では同じですが、その違いをご存知ですか?

石けんは、「石けん素地」や「カリ石ケン素地」、もしくは「純石けん分(脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム)」という成分でできています。
合成洗剤は化学合成で作られた、主にカタカナ表記の合成界面活性剤が成分となります。
つまり、商品の成分表示を見れば石けんか合成洗剤かは、簡単に見分けられるのです。
次いで製造工程の見学です
この日工程の説明を行ってくださったのは

営業支援課の前田博昭さん。推しの自社商品は「パウダーシャンプー」です。旅行や出張など、持ち運びも便利、とのこと。渋い!
製造工程に沿って移動開始です
到着時に建物を目にして思った第一印象は「大きい・・・」ということです。
4階建ての建物の中で、シャボン玉石けんの商品が製造されています。
石けんの製造工程も食品工場と同様に、多層階でゾーニングされており、原料が上層階で混ぜ合わされ、下に下がるにつれ、製品に近づいていく流れとなっています。釜は4階と3階に渡り配置されていました。
4階で釜が熱を発しています。釜は全部で11基。1基の横幅3メートルの大きさです。
この日釜の中を見せてくださったのは

金谷玲乃(かなやあきの)さん。10名ほど釜炊きができる職人がいる中で、唯一の女性職人です。釜炊き始めて4年。蓋を開いて炊きあげられた仕上がり直前の釜の中を見せてくださいました。

こちらの釜は原料を投入して6日目
この製法では、天然のグリセリン※が残ります。
※グリセリン…油脂に含まれる保湿成分
油脂からグリセリンを取り除いた脂肪酸を反応させてつくる中和法は4~5時間でできますが、石けんに保湿成分が含まれないので、洗うとお肌にツッパリ感が残ります。
一方で、ケン化法でできた石けんは天然の保湿成分を含んだお肌にやさしい使い心地の石けんです。お子様や高齢者の方にもお使いいただけます。

釜をのぞき込みます
蒸気加熱を行い続ける4階の気温は夏場には40度を超えるそう。この日も白衣を着用して釜をのぞき込んだ我々も少しの時間で汗だくに。
スマートウォッチを活用して体調管理を行うなどの配慮がされています。

ケン化が順調に進んでいるか、「舌」でもチェックします。
なめていると味を見ているように見えますが、下の先に感じるアルカリ成分を 確認しているとのこと。
途中に石けんのもとから不純物を分離させる工程で「塩」を投入するからか、素人のわたしはわずかな塩味を感じた気がしました。
釜炊き職人は「見る」「聞く」「嗅ぐ」「触る」「なめる」の五感をフルに活用します。
「水や塩の投入は経験や感覚がものを言います。季節の変わり目はつかみにくいです」と金谷さんは教えてくださいました。スコップで流れ落ちていく様子も職人は見ています。
完成した「石けんのもと」は乾燥して固形石けんへの道筋をたどります。
何と釜炊き歴64年という職人もいたそう。他の工場から、今でいうスカウトのような形で働かれた生涯釜炊きの職人さんの話は後ほど責任者の古市さんの口からも「出来上がりの石けんを見ただけで良し悪しが分かるすごい人」と、語られていました。
ぽったりとした仕上がった乳白色の石けんのもとを一気に水分を飛ばす真空乾燥をして粘土のようなチップを作ります。

前田さんが見せてくださったチップ。
ここまでの工程を見学して階下へ移動します。
さらに続くライン
真空乾燥されたチップを3本のローラーでさらに混ぜ、中に含まれた空気を押し出していきます。空気を抜いてみっちりと詰まった石けんに仕上げるためです。


長い棒状に成型し、30cmのバーにカットしていきます。
3つが連なった型で抜いたら完成です。

抜き終えた後の石けんを手に


シャボンちゃんがうっすら見えますか?

そして最後には傷などが入っていないか、カメラと目視でチェックが行われます。

できたての石けんは袋状に圧着されたフィルムに包まれて 私たちの見慣れた姿で目の前を流れていきました。
できあがった「石けんのもと」は乾燥工程を経て、釜でじっくり炊き上げられる工程とは対照的に、次々と私たちの知る形へと変わっていきました。

見学ルートの途中も随所に現れる。「シャボンちゃん」。この愛すべきキャラクターは森田光德先代社長のお子さんがモデルです。
見学を終え、製造責任者の古市真さんにお聞きしました。
働くスタッフの方にお聞きしました

古市さんお気に入りの商品は「シャボン玉浴用」。 「シンプルなものはごまかしがききません」
入社27年。物流部門を経て、その後長く製造部門に携わられています。固形石けんの釜炊きや液体石けんの製造も経験。現在製造部門の責任者として若松工場に勤務されています。
シャボン玉石けん で働くことの楽しさは?
働き続ける中で、ものづくりが楽しい!良い製品を作りたい!新しいものを作ってみたい、という従業員が育っています。実は入社当時、私は家から近いという動機で入社したのですが、森田光德 先代社長からものづくりの楽しさを教えていただき、家が近いという気持ちから変化し、現在では仕事のやりがいを感じています。
大切にしていること教えてください
高品質なものを提供し続けることです。今、会社は様々な場所でいろいろな商品の提供の場を作っています。しかし、私たち製造部の営業活動は「リピートをしていただける商品を製造し続ける」ことだと思っています。今できる最良の品質の商品を作り続けることを大切にしています。
古市さんの喜びは
若いスタッフの成長が一番の喜びです。製造や品質において責任感の強いスタッフが生まれてきます。品質面に関しても挑戦したいこともたくさんありますが、AIやロボットを活用しながら、人間にしかできないことを活かして、より良いものを製造したいと思っています。
古市さんからは原料にかける想いや、製造時の困難など、様々なお話を伺いました。

推し商品を持つ古市さんとコープ九州職員
この日、取材にご対応いただいたみなさんと最後に集合写真を撮影
お名前の後の『商品名』は「推しの商品とその理由」です。

みなさん自社製品の良さを語る際の笑顔の素敵なこと。

ありがとうございました。
同じ思いでずっと作り続けることの大切さと職人の技の確かさを目の当たりにした貴重な1日になりました。
コープ九州の職員の工場見学の感想は後編に続きます。