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獣害に悩まされる産地を知る(寺本果実園③)

その3:張り巡らされた柵の中のみかん畑

 

CRM推進部 上田 千歳

 

 

前回に続き、熊本市西区河内地区で産直みかんを育てる生産者寺本さんに鳥獣被害について、教えていただきます。

 

みかん畑に向かう途中寺本さんがぽつり

イノシシマンションの中のみかん畑です


見事な見晴らし、清廉な空気が漂うみかん畑


みかん畑の入り口は手作りの柵、ゲートはしっかり閉ざされており、施錠してからお邪魔しました。

案内いただいたみかん畑は「興津早生(おきつわせ)」の畑で12月に収穫が終わった圃場です。


みかん畑を取り囲むように柵が設けられています。この柵、4重になっており、全長は3キロを超すとのこと。すべて張り巡らすのに2年かかったそうです。

 

寺本さん曰く「俺の万里の長城…」


上田の身長が小さいとしても柵の高さはかなりのものだとわかります。

 


地中に打たれた杭の深さは50cmだったり70cmだったり、大仕事です。頑丈さを確かめるのは、コープ九州農産担当の小田原。

 

柵の向こう側には整備されたけもの道が走っていました。

つまり、イノシシが周りを取り囲んで移動している、という事です。

 


傾斜のある場所だとイノシシがジャンプして入ってくることも。柵が壊れるとそこから一気に入ってきます。体重100キロを超えるイノシシが体当たりすると弱った個所は破損するだろうと想像がつきました。そして1頭当たり100キロみかんを食べていく、枝を折るなどもする…一年がかりで育てている果実が一晩でなくなる現実が重たいです。

 

「こんな風に張り巡らしておくと、壊れたところを修理すればいいので対策はとれます」


一匹もいないはずなのに、なぜかみかん畑の中には彼らの形跡がありました。

鼻先で土を触った跡が見られるそうです。

ここを上る?というところにも形跡があります。


食べのこし?こちらは多分鳥。

ちなみにイノシシは中身を食べて皮をペッチャンコにしていくらしく、食べ後で分かるそうです。

 


ある程度は獣の被害がある事が前提で共存していかないといけない、と寺本さん。

毎月1日は氏神様に参り、奪う命への哀惜と安全を願うそうです。

 

 

河内川が注ぎ込む有明海では海苔の養殖がおこなわれています。

そこは海苔を狙って大量のカモが飛来してくる、とのこと。有害鳥獣駆除の依頼が海でも多く発生している、という事もお聞きしました。

 

 

 


いつもにこやかに待っててくださる寺本さんご夫妻

寺本さんから

これからもみなさんに愛していただけるみかんを作ります。どの農家も大変です。自分たちだけではないので‥引き続きよろしくお願いします。頑張ります!

 

さいごに

20年前には見ることが無かったイノシシ。その対策に追われ、柵を設け、狩猟免許を取得し、駆除に追われる生産者が九州にいらっしゃる、という事実を今回知ることができました。

 

全国で2位の福岡県、3位の熊本県だけではなく、各地で様々な対策を講じ、努力くださっている生産者がいます。

 

私たち消費する側が現状を少しでも理解をし、、生産者のおかれた状況を知ることが大切だと考えます。

 

 

寺本さん、この度はありがとうございました。

 

 

 

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