生協らしさ。生協の側にいると、ぴったりの言葉が意外と見つからない。世の中の皆さんはどう思ってらっしゃるのか?聞き手は、哲学者の鞍田崇さん。毎回、さまざまなゲストをお招きして、鞍田さんが考える生協っぽさを追いかけます。

【第一回】北海道べてるの家の向谷地生良さんをお招きしました。

 

初回ゲストとして、鞍田さんが声を掛けたのは、ソーシャルワーカーで、北海道浦河町でべてるの家を運営されてる向谷地(むかいやち)さん。生協らしさというテーマをお伝えしたとき、すぐに浮かんだ方だったそうです。なぜでしょうか?


動画は01から07まで、全部で7回に分かれています。それぞれ10分弱。以下、気になるコメントを抜き書きしてみました。さあ、はじまりはじまり。

 

 

《 01_弱さと協同の関係 》

1:00

鞍田: 今回、弱さというのが、大事なキーワードなのかなと思っていて、そもそも生協は弱い立場の方々が、弱さに甘んじるんじゃなく、生き抜く上での「術」だったんじゃないかと思ったんですね。

《 02_べてるの家のできごと 》

6:40

向谷地:私は学生時代にメンタルヘルスの専門トレーニングを全然受けないままに現場に飛び込んだ人間なんですよ。だから逆に良かったんじゃないかと。

《 03_メンタルヘルスという分野 》

0:43

向谷地:そこに戻りたいなと思って。それでべてるの活動を始めたものですから、それが回り回ってこうして生協のみなさんと繋がるというのは、これは不思議な御縁です。

《 04_社会変化と心の病 》

2:20

鞍田:世の中がどんどん近代化して制度化していく中で、社会としてそれを許容する能力はむしろ低下して行っているのかなとか。その辺はどんな風にお感じですか?

8:42

向谷地:現実はリーマンショックの頃もう既に1年間に150万人が精神科に通院していたんですが、今は400万人を超えていますからね。もう心を病むことから逃れられる人はいないっていう。

《 05_社会の動きとの矛盾 》

3:18

向谷地:私たちはどうあれば良いのかとか、家族はとか、働くってことは、地域とか、学ぶってことはどういうことなのかをいろんな大事なメッセージそのものがちゃんと封を解かれないままに捨てられていく感覚があって。

≪06_個に分かれたその次 》

3:20

鞍田:ただバラバラにそれぞれが個別の案件だけ向かい合うんじゃなくて、ネットワークと言うか大きな組織になるというよりは繋がっていくということも問われている気がするんですけれども。

《 07_対話が持つちから 》

0:33

鞍田:それが行き過ぎてしまって、コミュニケートしない、関わらない、で、閉じちゃうみたいなことが悪循環的に起こってしまっているような気もするんです。

 


PROFILE
鞍田 崇
(くらた・たかし)

哲学者

1970 年兵庫県生まれ。京都大学文学部哲学科卒業、同大学院人間・環境学研究科修了。博士(人 間・環境学)。専門は哲学・環境人文学。総合地球環境学研究所を経て、2014 年より、明治大学理工学部 准教授。理工学研究科新領域創造専攻安全学系を担当(2017 年度より組織再編により建築・都市学専攻総 合芸術系と兼務)。近年は、ローカルスタンダードとインティマシーという視点から、工芸・建築・デザイ ン・農業・民俗など様々なジャンルを手がかりとして、現代社会の思想状況を問う。著作に、『フードスケ ープ 私たちは食べものでできている』(共著、アノニマ・スタジオ 2016)、『知らない町の、家族に還 る。』(共著、兵庫県丹波県民局 2016)、『民藝のインティマシー 「いとおしさ」をデザインする』(単 著、明治大学出版会 2015)、『「生活工芸」の時代』(共著、新潮社 2014)、『ウォーキング・ウィズ・ クラフト』(共著、松本クラフト推進協会 2014)、『人間科学としての地球環境学』(共著、京都通信社 2013)、『道具の足跡』(共著、アノニマ・スタジオ 2012)、『〈民藝〉のレッスン つたなさの技法』 (編著、フィルムアート社 2012)など。共訳として、絵本『たべることは つながること』(福音館書店、 2009)、『雰囲気の美学』(晃洋書房、2006)など。

http://takashikurata.com


向谷地 生良
(むかいやち・いくよし)

ソーシャルワーカー 青森県十和田市出身北海道医療大学(大学院・看護福祉学部・先端研究推進センター)特任教授・浦河べてるの家理事

1978年より北海道日高にある総合病院精神科専属のソーシャルワーカーとして勤務しメンバーと共に「浦河べてるの家」(1984)の設立に参加、日高昆布の産直をはじめとする事業を推進、2001年に「当事者研究」を創始し、自助活動や相談支援に取り入れる。2003年4月より、北海道医療大学看護福祉学部で教鞭をとりながら、国内はもとより海外における「当事者研究」の普及と交流をめざした活動と研究を続けている。2020年より、学校法人北星学園理事、一般社団法人伴走型支援協会の代表理事、北海道医療大学名誉教授。著書「べてるの家の非援助論―共著・医学書院」、「べてるの家から吹く風・いのちのことば社」、「技法以前」医学書院他多数。

https://bethel-net.jp

この記事はいかがでしたか?ご感想・コメントをお願いします。