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ララコープ産直牛>その2=ホルスタインの可能性に賭ける熱い農場主。

福岡県久山町の中尾畜産で7カ月まで育った牛は、大分県九重町にある肥育牧場「童夢牧場」に移し、21カ月まで育てます。650頭の牛たちが、恵まれた自然環境の中、ゆったり過ごしていました。ここから月10回、1回5頭程度を出荷しています。出荷した帰りのトラックで久山から7カ月の牛を連れてくるのだそうです。

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[生産者インタビュー]

大分県玖珠郡九重町

中尾畜産 中尾 憲二さん 

中尾畜産大分県中尾牧場(童夢牧場)農場長 戸澤幸一さん 

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子どもたちが夢をもてるように。

15年ほど前まで、福岡県久山町で育成から肥育までを営んでいた中尾畜産でしたが、憲二さんの代になって規模拡大をめざしました。

「もともと自然の中で牛を育てたいという思いがあって、肥育のための牧場候補地を大分で探しました。周りに牧草地もあり良い環境だなと思ったところにF1(交雑種)の肥育を行っている農場があって買い手を探していると紹介され即決しました。その時、よい環境で牛を飼うのなら子どもたちが夢を持てるような場所にしたいと思って、童夢牧場という名前をつけたんですよ」

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こだわりの堆肥ライン。

中尾さんのその思いが表れているのが、堆肥ラインです。
「牛舎より堆肥舎と堆肥ラインにお金をかけています。牛の寝床には木の皮を粉にしたものを敷いていて、牛の排泄物でしめってきたら交換します。それが堆肥のもとになるわけですが、寝床はいつもきれいにしないといけないから堆肥のもとはどんどん増える。堆肥が売れないと農場がまわっていかないんですよ」

若い社員のみなさんが機械を操って、堆肥舎からベルトコンベアで流れてきた堆肥をふるいにかけ、てきぱきと袋づめしていきます。「自分がこの農場を買ったときに最初にやろうと思ったのが堆肥の適正な活用でした。処理が滞ると、においや水の汚染にもつながります。これからここで子どもを育てていく従業員のことを考えても、なんとかせんといけんと、堆肥舎設備を整えたんです」

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牛が第一の牛舎。

晴天にめぐまれた取材日、牛舎には風がよく通っていました。牛舎の中は静かで、牛たちは落ち着いている様子でした。
中尾畜産の強みは哺乳から一貫していること。うまれた時から同じ群で同じ餌を食べて過ごすので、久山から九重町に移ってきたあとも安定して過せるのだそうです。

久山ではスコップで給餌をしていましたが、こちらでは人手をかけずにできるよう機械を使っています。専用機械を載せた軽トラックを牛舎の通路を走らせて、配合飼料は日に3回、稲わらは朝夕2回与えます。

わらと配合飼料は混ざらないよう交互に置かれていました。その方がよく食べるのだそうです。効率をあげながらも、牛のようすを見ながら手をかけるところにはしっかりと手をかけていることを感じました。

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牛飼いの探究心。

「3カ月前、とうもろこしや大麦を増やした、いわゆる昔の餌に変えたんです。餌を変えることで肉が変わるんじゃないかとチャレンジしています」

中尾さんが狙っている変化のひとつめは、枝肉のボリューム。今ホルスタインの枝肉の重量は全国平均で435キロ、中尾畜産の平均は463キロ。健康に育てることで大きく育っています。「枝肉の重量はよそには負けていません。枝肉の状態も悪くはないのですが、昔は枝肉を見たらうちの牛とわかるぐらい、よそと違っていたんですよ」と中尾さん。

「昔のホルスタインはもっと背中が盛り上がっていて、肩の肉のボリュームがあったんです。ホルスタインは乳を出すための牛なので、搾乳しやすいように足が長く、乳房が大きく改良されてきて、最近は馬のようにすらりとした体形になっています。それを餌で変化させることができんかなと思うんです」
これまでは餌が高すぎてできなかったチャレンジ。餌はまだ安いとはいえませんが、ずっとやってみたかったことに今取り組んでいます。

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「結果は来年の10月頃に出ます。変わらんやったらシャレにならんですが。でもやってみたいんですよ。やってみらんとわからんですもんね」

めざすのはこんな牛、と指さして教えてくれたのは、下の写真中央の牛。まわりの牛に比べて背丈は低いですが、肩まわりが丸く盛り上がっていました。背が低いので、枝肉になった時の重量は減るそうですが、それでもやってみたいと、中尾さんは力を込めて話してくださいました。

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ホルスタインの可能性。

狙う変化のふたつめは肉のやわらかさです。
「サシの入った和牛がおいしいのは当たり前。和牛はサシを入れるためにビタミンの摂取を減らすなどの無理をさせています。普通じゃない飼い方をして脂肪をつけているんです。正月や誕生日には和牛もいいけど、普段の食卓に必要なのはホルスタインの肉ですよね」

生協の産直牛肉もほとんどがホルスタインです。
「マグロにしても馬肉にしても赤身は人気があるし、年配の方も好んで食べられます。でも赤味の牛肉はそこまでいってない。違いは“やわらかさ”だと思います。餌を工夫することで、もう少しだけ脂が入って、おいしく食べやすいホルス肉ができんかなー、つくりたいんです。“中尾さんとこのホルスはひと味違うばい!”と言われたいと思ってチャレンジしています」。

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病気をせずにすくすくと育つように。

童夢牧場を任されている農場長の戸澤さんにもお話を聞きました。
戸澤さんは、F1(交雑種)の農場だったときから働いているベテランです。

「牛を育てる上で一番気をつけていることはケガや病気ですね。特に病気は、これだけ頭数がいると早めに見つけて対処しないと広がってしまいます。餌の食い込みが悪い牛はいないか、食べが悪いのはなぜか考えて、常に注意を払っています。早く見つければ、獣医さんに早めに治療してもらえますから。
牛は寒さには比較的強いので、夏場の高温や温度差がある時が一番気をつかいます。朝晩冷え込む季節の変わり目に病気が多いんですよ」

中尾さんは「童夢牧場のことはすべて戸澤さんに任せています」とのこと。「まかせられると“やらんといけん”と思いますね」

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「おいしくて食べてもらいたいという気持ちを込めて育てていますので、生協の組合員さんにその気持ちを少しでもかみ締めていただけたらうれしいです。たくさん食べてください!」

 

【童夢牧場こんなところ】

玖珠インターを降りて、宝泉寺温泉を通り抜け阿蘇小国方面へ。熊本との県境、牧草地や野菜畑など、広々とした緑が広がる高原に童夢牧場はあります。取材にうかがったのは暑い盛りの7月末でしたが、牧場は玖珠の市街地より涼しく、心地よい風が吹いていました。

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産直ってなんですか?

日々届けられる野菜やお肉やお魚。今日も産地から新鮮な美味しさが届きます。でも、福岡の組合員さんと鹿児島の組合員さんは、同じ野菜でも産地は同じではありません。各地生産者と各地の組合員さんを結び、最も美味しい関係を考える。それが生協の産直です。

その土地とそこで育つ食べ物は、とても強い絆で結ばれています。その土地の気候風土は作物や家畜の特性をかたちづくり、多様な食材に対するさまざまな戴き方は土着文化の柱を築きます。生協の産直は、こうした視点を根底に持ちながら、背景とともに各地の生産者と組合員の暮らしを繋ぎます。


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皆様から寄せられたコメント

  1. 牛さんの食べ物は
    牧草だけではないんですか?
    トウモロコシとか大麦は
    牛にとって大丈夫なんですか?