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ララコープ産直牛>その1=自分の目で、手で健康に育てるホルスタイン。

牛は生まれてから出荷されるまで、哺乳期・育成期・肥育期に分けられます。 子牛を仕入れて育成や肥育を行なう産直産地が多い中、中尾畜産では、生後1~2週間の牛から育てています。それには牧場主である中尾さんの熱い思いが表れています。

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[生産者インタビュー]

福岡県糟屋郡久山町

中尾畜産 中尾 憲二さん

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最初から自分の目で見て育てる。

中尾畜産の哺乳・育成農場は福岡県糟屋郡久山町にあります。

生協の産直産地の中でも、哺乳からおこなっているのは、ここだけ。
「他で育った子牛を入れる農場もあるけど、何を食べて育ったのか自分で把握できる牛を育てたいんよね」と中尾さん。

「健康な牛にするには小さい頃に胃をしっかり育てることが大事。それには粗飼料が大事。知らないところで育った牛は太らせるための餌を食べさせられているかもしれん」
生まれて1~2週間の牛を福岡県八女の市場や福岡県酪農業協同組合の酪農家、足りない時には熊本の市場からも仕入れています。月に60~70頭を仕入れて、久山の農場には常時650頭の九州産子牛がおり、生後7カ月までを過ごしています。

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太らんでいい時には太らんでいい。

哺乳期は生後2カ月まで。デリケートな120頭の牛の小さな牛たちは1頭ずつ囲いの中で飼育されています。哺乳期の牛の世話は中尾さんの奥様、清香さんの担当。ミルクをくれる人のことはよく分かっていて、清香さんが牛舎にやってくると呼ぶように鳴きだすのだそうです。

2カ月を過ぎたら育成期です。この時期は胃を丈夫に育てる時期。そのためには粗飼料が大事だそうで、稲わらと牧草を8:2の割合で与えています。稲わらは近隣の稲作農家さんからわけてもらっているもの。牛の育成には稲わらが欠かせないという中尾さん。「数年前、稲わらがどうしても手に入らなくて、輸入牧草に置き換えたことがあったんです。そしたらこの牧草の品質が悪かったためか、牛が太らず、病気も増えてしまって。長く牛飼いをしてきたけれど、稲わらがこれほど影響を与えるものだと、そのときに実感しました。餌を元に戻してからも回復には2年かかりました」それ以降、稲わらは絶対条件。近隣のわらでは、九重町の農場分まではまかなえないので佐賀県からも購入しています。どうしても足りないときは輸入したわらを使うこともあります。

牛に与えるときには食べやすいようにカットします。「長いまま与えると牛舎に引き込んで寝床にしてしまうんですよ。貴重なわらをちゃんと食べてほしいのでカットしています」

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堆肥を見れば牛が分かる。

稲わらを提供してくれる稲作農家さんには、大分の牧場でつくった堆肥をお届けしています。「久山の牛舎の床にはおがくずを敷いています。おがくずが火力発電の原料に使われることが増えてきていて床材として出回る量が減っているんですよ。大分では木の皮を敷いています」大分でつくられた堆肥を見せていただきました。木の皮の香りがほのかにする堆肥でした。

「どんな農家か知りたかったら、堆肥舎を見せてもらうといいよ。堆肥をきちんとつくっている農家は牛の世話もしっかりしているはず」と自信を持って語る中尾さんです。

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餌やりも一頭ずつの状態を見ながら。

中尾畜産の牛舎では、3人の従業員さんが働いています。中尾さんがいつも口にするのは「牛の質は人の質」という言葉。人が牛をきちんと見て、しっかり世話をすれば、牛も健康に育つというのです。「商売抜きで、牛が病気になったり死んだりするのは見たくない。命を預かっているという責任は常々感じています」

中尾畜産では、餌やりを人の手で行っています。「若い頃はなんで自動化せんのかと父に言いましたが、今になって牛の様子をよく見ながらやれるからだと思うようになりました」

濃厚飼料(穀物の配合飼料)は朝と晩に、粗飼料(わらや牧草など)は日に4回与えます。いっぺんにたくさん与えるとよだれが付いたりして、牛が最後まで食べないそうです。牛の中にも気の強い牛と引っ込み思案の牛がいて、朝の給餌時には気の強い牛が前に出て食べにくることが多いので、昼に濃厚飼料を追加して全頭に行き渡るように配慮しています。

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万が一、牛が風邪等を引いた時には、牛舎の脇につくった専用の場所で養生させます。「人も風邪を引いたときに大部屋にいるのはつらいでしょう」

7カ月を過ぎた牛は大分県九重町の肥育牧場に移して育て上げますが、風邪を引いたり、体調を崩したりして一度弱ったことのある牛は、九重町には連れて行きません。「長距離の移動は牛にとって大きなストレスになります。最後まで元気に育てたいので、手間はかかりますが、ここで育て上げるんです」

何をおいても、牛が健康であることを基本にしています。

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ホルスタインの可能性を追求したい。

「昨日の市場の価格ではホルスタインの雄、1頭17万円でした。おやじのあとを継いだ頃には3~4万円で手に入っていました。今は高くても手に入っていますが、先々は心配です」

それでも、中尾さんはホルスタインの肥育を追求したいと言われます。

「日本の牛肉ではホルスが一番安く手に入ります。和牛は確かにうまいですが、普段の食卓に合うのはホルスタイン。牛肉の輸入が自由化された時にはホルス農家はなくなると言われていましたが、今も残っている。残ってきた理由があると思うんです」

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中尾さんのホルスタインの可能性へのチャレンジと九重町にある肥育牧場「大分県中尾牧場(童夢牧場)」の様子は次回ご報告いたします。お楽しみに!

 

【中尾畜産 こんなところ】

糟屋郡久山町、大型ショッピングセンター「トリアス久山」からほど近いところにある中尾畜産。道路の反対側は住宅地ですが、牛舎のまわりは田んぼや山に囲まれています。

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日々届けられる野菜やお肉やお魚。今日も産地から新鮮な美味しさが届きます。でも、福岡の組合員さんと鹿児島の組合員さんは、同じ野菜でも産地は同じではありません。各地生産者と各地の組合員さんを結び、最も美味しい関係を考える。それが生協の産直です。

その土地とそこで育つ食べ物は、とても強い絆で結ばれています。その土地の気候風土は作物や家畜の特性をかたちづくり、多様な食材に対するさまざまな戴き方は土着文化の柱を築きます。生協の産直は、こうした視点を根底に持ちながら、背景とともに各地の生産者と組合員の暮らしを繋ぎます。


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